今回は今年の1月11日の記事「マイ・カートリッジの聴き比べ」の続編です。
我が家では、下記の2種類の組み合わせでレコード再生を楽しんでいます。今回、DS Audio DS001 の後継機がほぼ決まりそうですので紹介します。
- DS Audio DS001 + グランツ MH-10B + DS001専用イコライザー
- audio-technica AT-ART9XI + ロクサン TABRIZ-ZI +SUTHERLAND HUBBLE
今年の1月11日の記事に書きましたが、私の「DS Audio DS001 + グランツ MH-10B + DS001専用イコライザー」の組み合わせの印象は下記の通りです。
- オーケストラの後方で鳴っている大太鼓の弱音の超低域の最初の打音が明瞭。何気なく聴いていたら気づかないレベルですが、一度気づくと音量に関係なく感激するくらい自然なオーディオ再生です。これだけで、コンサートホールで聴いているような錯覚を覚えます。プロの評論家はこのようなことを日常的に体験されているのでしょうね。この超低域の再生能力は、振幅比例型のカートリッジの最大の長所のようです。
- 空間表現が狭い、人によっては音像や音場へのタイトなフォーカスが魅力とも言える(第1世代のDS001のチャンネルセパレーションは24dB、第3世代のモデルでは27dBに改善されているが、業界標準は30dB)
- 弱音域の情報量が少ない、ダイナミックレンジの広い交響曲などではホールトーンの再現が控え目、小編成の音源では人によってはエネルギッシュなサウンドと感じるかも
- 針先とレコードの溝との間にミクロンレベルの隙間があり(私のイメージ)、暗騒音にザラザラ感を感じる
スピーカーを意識させない空間表現を求めている私にとって、「空間表現が狭い」、「弱音域の情報量が少ない」のは致命的とまでは言いませんが、目をつぶって聴いても交響曲などではオーケストラの演奏者の一人一人から発せられる音符の天使が空間でじゃれ合っている様子が感じられないのです。小編成の曲などではそれほど不満は無いです。そう言う使い方をすれば良いのでしょうが、何とかしたいとここ一年思っていましたが、先日、運命のいたずらが起こったのです。
昨年audio-technica AT-ART9XI を購入したショップにDS Audio DS003 + DS003専用イコライザーが展示されていることをネットで知り、私のDS Audio DS001を持ち込んでDS Audio DS003 と比較試聴をお願いしたところ了解して頂きましたので、先週末お邪魔して来ました。
DS Audio DS003
「DS Audio DS003 + DS003専用イコライザー」の組み合わせ、さすが第三世代の製品だけあって完成度が上がっています。私が第一世代のDS001に抱いていた不満点がすべて解消されています。試聴はAccuphaseの最上位のプリとパワーアンプ、スピーカーはB&W 803D4で行いましたが、DS001の音は我が家の出音と同じ傾向を示しましたので、DS003の音を数分聴いただけでアップグレードする決断ができる程でした。DS003の上位モデルとして、Grand Master Extreme、Grand Master、DS Master3、DS-W3がありますが、足るを知る私としてはDS003で十分に心が満たされるはずですが、それらの音も体験してみたい欲望はあります。より高い頂きからの眺めも見てみたいのです。そして、体験と購入はまた別物ですから😅
どんな音楽が好きなのかはとても大切だけれど、もっと大切なのは、その音楽を「どう聴きたいのか」だと、ステレオサウンド誌 No, 230 で小野寺氏が書かれています。我が意を得たりです。