DS Audio の第1世代の光カートリッジ DS001 をホーンシステムで試聴しました。私としては、まずAccutonのシステムで聴いた感想を紹介したいのですが、現在ホーンシステムで聴くようにパワーアンプを接続していますのでとりあえず聴いてみました。接続を変えるにはCDラックを移動して床下に潜らなければいけないのです😅
DS Audio DS001 をホーンシステムで試聴した印象は、ハイエンドオーディオ感を意識的に感じさせるような音が出てくるのだろうなと予想していたのですが、優しく包み込むようなとても自然な音色でした。チェンバロの演奏などとは凄く相性が良さそうと思ったのが第一印象です。
今回は1年ぶりにホーンシステムで試聴していますので、カートリッジかスピーカーシステムの影響か判断が付きかねるところはあります、そこはご理解下さい。音色は自然で音像そして定位も安定しているので、自然なステレオ感とも表現することもできますが、私には音場がかなり狭く感じるのです。スピーカーの影響かなと思い、ホーンの向きを少し内振りだったのを、平行法に近いくらいまでに広げましたら少しだけですが改善しました。奥行き感は音場感の狭さで陰に隠れがちになりますが、注意して聴くと立体感があり音楽に生命力を感じます。
いろいろなレコードを聴いて、自分が持つイメージより音像が中央よりに聴こえましたので、ライナーノーツに録音時の楽器の定位が記載されている音源を取り出して確認しました。北村英治シックス・テットのアルバム 「Happy Cooking」です。
録音はヴィブラフォンの増田一郎が担当しています。ライナーノーツの最後に楽器の定位の位置が記載されています。DS001 での再生は右側と左側に在るべき楽器が内側に寄っています。
次に、カートリッジの影響の度合いを知りたく、ロクサンのトーンアームに取り付けられたオルトフォンのMC-A90で聴いてみました。結果はライナーノーツに記載されて定位通りに聴こえますので、中央よりの定位感はDS Audio DS001 の個性のようです。
DS Audioの光カートリッジの世代ごとのチャンネルセパレーションの値(@1kHz)を調べてみました。ちなみにオルトフォンのMC-A90の値は28dBです。第1世代の製品であるDS001の値は20dBとかなり低いですね。音場感が狭いと感じるのにも納得しました。同様の感想がある掲示板にもアップされていましたので、そのように感じるのは私だけではないようです。
- 第1世代: 20dB (DS001)
- 第2世代: 24dB (DS002)
- 第3世代: 27dB (DS003)
DS001はDS Audioの光カートリッジの第1作目ですので暖かい目でみましょう。第3世代になるとカートリッジの標準的な値に近づいています。ちなみにオーディオテクニカのAT-ART20の値は30dBです。さすがですね。きっと光カートリッジも第5世代あたりになると技術もこなれて30dB位になるのでしょうね。
音場感の狭さは別にしてですが、DS001は原音再生(くせが少ない)に忠実であるように感じました。密閉型のエンクロージャーに入ったウーファーで再生すると、DS001の低音の再生能力の高さに驚きます。振幅比例型発電機構の利点が活かされているのでしょうね。低域のチャンネルセパレーションは高域に比べるとかなり良さそうです。レコード再生とは思えないくらいタイトな音ですので、アデルのレコードはご機嫌に聴けます。低域の表現力はDS001、中高域はオルトフォンMC-A90が優っているように私には聴こえました。どちらか一つだけ選べと言われれば音場感で優るオルトフォンMC-A90です。
今年6月に自宅試聴した第3世代のDS003をAccutonのシステムで試聴したときには、中高域の音場感の広さもオルトフォンMC-A90以上でしたので、DS Audioのエンジニアの方々のカートリッジ作りの経験値が上がっているようです。ハイエンドオーディオの世界でのブランディングの戦略でしょうが、製品の価格はそれ以上の速度で上がっているように感じるのは私だけでしょうか😅
私の物欲の次のターゲットはDS Audio DS003(カートリッジのみ)です。イコライザーアンプは費用対効果を考えてDS003のもので十分と自分に言い聞かせています。
トーンアームはグランツの MH-10Bで上がりです(たぶん)😀