Myu Audio日記

オーディオ関連のブログです。

ミュージックサーバー組み合わせの妙(試聴編)

明けましておめでとうございます。

今年もオーディオ三昧(音楽三昧ではないのかい😅)、ブログは週2回のペースで更新する予定ですので、よろしくお願いします。

 

2週間前に紹介しましたように、我が家にはネットワークオーディオ関係の機器は下記の3機種があります。今回は、それら3種類の機器を使い、4つの組み合わせ(図下参照)の試聴結果を紹介します。私の主観的な試聴記ですので、このように感じる者もいる程度でご笑覧ください。

  • IODATA RAHF-S1 (オーディオ用NAS、2018年発売)
  • fidata HFAS2-X40 (オーディオ用NAS、2023年発売)
  • Sforzato DST-01 (ネットワークトランスポート、2010年発売)

 

 

 

今回の試聴には、 Scan-Speak の楕円三兄弟とソニーの15インチウーファーの組み合わせを用いました。このシステムはまだまだ調整途中ですが、それなりに鳴ってくれています。駆動系はパワーアンプ7台を使ったマルチアンプ方式です。

 

 

 

デジタルプリ(Accuphase DC-330)のボリュームは0dBの位置(@1mで合奏時90dB)で試聴しましたので、デジタルチャンネルデバイダーで多少レベルをデジタル領域で下げていはいますが、再生系はほぼ0dBでの再生になります。デジタルチャンネルデバイダーのアナログタイプの10dBアッテネーターとパワーアンプのゲインの組み合わせを利用してデジタル領域でのビット落ちを防いでいます。

 

試聴には96kHz/24ビット音源の中から、私が今回の試聴に適したと思われる4曲を使いました。記録されていない情報は再生側ではどうしようもありませんから、音楽を楽しむだけなら録音の質にこだわる必要はありませんが、試聴となるとそれなりに配慮が必要です。演奏に関しては、私は良し悪しを判断する能力は残念ながら持ち合わせていませんが、録音に関しては自分が理想とするイメージは持っているつもりです。

 

下記の音源を用いました。フォーマットはいずれも96kHz/24ビットです。

 

試聴は2週間かけ、そして日を置いて何回も試聴、自分の体調による差をなくしたつもりです。イベントやショップの試聴では、一押しの製品を一番最後に持ってきますが、私の場合、誰にも忖度する必要はありませんので、試聴の順番も毎回変えました。機器は試聴開始から3時間前には電源を入れ、十分な暖機運転を行いました。スピーカーユニットなどの試聴はわりと分かりやすいですので、ここまで配慮しなくても判断を誤ることはありませんが、今回の試聴では音色や帯域バランスが変わることはありませんので、細部の表現力の差を聴きとる必要がありました。

 

私の主観(独断は否定しませんが、偏見はないつもり)に基づいた試聴の結果は下記の様になりました。上位3チームの差は空間と弱音域の表現力でした。4位のケース①の場合、これだけ聴いている分には何の不満もないのですが、比較試聴すると情報量の差が歴然と分かります。その差を大きいとみるか、またはそれ程でもないとみるかは、人それぞれなのはもちろんのことです。

 

 1位:ケース② fidata HFAS2-X40 fidata mode

 2位:ケース④ fidata HFAS2-X40 diretta mode +  Sforzato DST-01

 3位:ケース③ fidata HFAS2-X40 Roon mode

 4位:ケース① IODATA RAHF-S1 diretta mode +  Sforzato DST-01

 

 

3位

ケース③ fidata HFAS2-X40 Roon modeは情報量は十分ですが、音場が狭く、アスペクト比に例えると1 : 1くらいに感じられます。Roonは今回初めてで詳しくは知りませんが、fidataはRoon Nucleusに近い処理能力しか持っていないようですので、それが今回の結果に反映されている可能性があります。もしかしたら、処理を分散させる目的で、Roon Readyのネットワークプレイヤーを外付けすると本領を発揮するかもしれません。しかし、私は音楽はフォルダー単位で聴くタイプですので、私にとって余計なお節介をたくさんしそうなRoonにどこまで投資するか迷っています。

 

2位

ケース④ fidata HFAS2-X40 diretta mode +  Sforzato DST-01は私が一番期待していた組み合わせでしたが、思わぬ刺客が潜んでいました。ケース③よりは音場が広く、アスペクト比に例えると4 : 3といったところでしょうか。弱音域の表現力は、我が家のスピーカーに例えるとAccutonのシステムの表現に近いような気がします。このケース②やScan-Speakのスピーカーシステムの音を知らなければ、これで十分と思えるレベルです。

 

1位

ケース② fidata HFAS2-X40 fidata modeでの試聴はオーディオ再生であることを忘れるくらい私には自然に聴こえました。そして、Scan-Speakのスピーカーシステムの能力の高さを思い知りました。音が柔らかくありながら、鮮明な音なのです。もしかしたら、Accutonのシステムで試聴していたら、私はこの良さに気付かなかったかもと思いながら、この記事を書いています。fidataとScan-Speak、音作りで大事にしている要素がかなり近いようです。この組み合わせが発する音のテクスチャー、今の私をときめかせてくれる質感です。果物に例えると、光沢がありつるつるのリンゴ肌ではなく、きめが細かい上品な桃肌でしょうか。女性の肌にも例えたくなりますが、世の中の8割以上の女性から反感を買いそうですので止めておきます。

 

話が少し逸れてしまいましたが、弱音域の表現と書くと私の脳裏に桃のイメージが浮かんでくるのです。空間表現と弱音域の表現は表裏一体なのかもと思えます。弱音域が表現できているから、立体的な空間の表現力が高く感じる、また、その逆も然りのようです。楽器と楽器の間に流れている空気、弱音域の音の揺れまで聴こえそうです。左右の壁も後方の壁もまるでなくなったような広大な音場が出現しました。

 

我が家は都会の騒音とは無縁の住宅地、部屋も防音を施し、パワーアンプ7台と200V用ダウントランスは床下、といったような極めて静かな環境で試聴しましたので、上記のような結果になりました。しかし、イベントやショップでは空調騒音などにより、耳元で蚊が飛んでいてもまったく気づかないくらい暗騒レベルが高いですので、今回とは異なった結果になる可能性もあると思います。大きい声の人が勝つ(密度の高い音)が評価されるケースもありそうですので、自分にとっての本物を見分ける力量が試されます。

 

昨年、怒涛の如くScan-Speakのスピーカーユニットとfidataのミュージックサーバーを導入しましたが、今のところその判断は私にとって正解だったようです。世の中には、もっと素晴らしい組み合わせもあるのでしょうが、すべてを試す訳にはいきません。オーディオと恋愛は、タイミングとトキメキですよね。おあとがよろしいようで。今年もよろしくお願いします。