前回の記事「銀メッキケーブルとの相性」で、QNAPのNAS TS119とIO DATAのSoundgenic RAHF-S1を聴き比べ、銀メッキのケーブルに変えたことによってSoundgenicの音の良さがより明確に分かったことを紹介しました。
今回はその続編で、SoundgenicのNASとSFORZATO のネットワークトランスポート DST-01間をDirettaモード接続して試聴しましたので、その結果を紹介します。
Direttaの技術的な内容については下記を参照して下さい。
我が家のネットワークオーディオの構成図です。SFORZATO DST-01は2010年に購入しましたが、11年経った今でも現役で活躍しています。ファームウェアのアップデートのおかげで、最新のプロトコルであるDirettaにも対応しています。Soundgenic RAHF-S1とルビジュウム発振器は中古で入手しました。
Stereo Sound ONLINEで評論家の土方氏が、”Direttaを追加した場合は、筆者が考えるオーディオ的な尺度、すなわち、聴感上のS/N、周波数レンジ、分解能が圧倒的に向上する。はっきりいうが、音が少々変わるというレベルではなく、明快に音質が上がるほどの変化を聴き取れる。帯域バランスはまったく変化がなく、音に変な癖がのらないのも特筆点だ。<中略>どの楽曲を聴いても、解像感が上がるというより、今までノイズにスポイルされていたより微小な質感表現や、ステレオイメージが明確になる印象だ。Direttaの理論的な狙い通りの音質向上が実際に聴き取れた。”と述べられています。
この試聴にはNASにはSoundgenicの上位モデルのfidata HFAS1-XS20が使われていますので、Direttaの効果はかなりあったようです。我が家ではSoundgenic RAHF-S1を使っての試聴ですので、かなり意識して試聴しないと分からないレベルの変化でした。評論家の耳と私の駄耳を比べたら失礼に当たりますよね😅
しかしながら、「微小な質感表現や、ステレオイメージが明確になる印象」には、我が家のシステムでも同じ印象を持ちました。良質な外部クロックが奥行き感(Z軸)を出してくれるとすると、Direttaは2次元的(X&Y軸)な空間表現が向上しました。弱音のリニアリティが上がり、録音現場の空気が澄んだように感じになり、表現は難しいですがシルキーな空間表現が味わえました。音場型のスピーカーでないと分かりづらい変化かもしれません。その内にソニーのホーンシステムでDirettaの効果を確認してみます。
上位モデルのfidataにはLANポートが二つありますので、背面の「for Network」をハブに接続、「for audio」はSFORZATO DST-01と直結することでき、高音質な再生が期待できます。残念ながら、汎用モデルのsoundgenicにはLANポートが一つしかありませんので、どうしてもsoundgenicとSFORZATO間にルーターを挟まないといけないのが、音質的にネックになります。fidataとsoundgenicの価格差を考えると受け入れざる得ませんね。後は、私がネットワークオーディオにどこまで求めるかです。
fidataとsoundgenicの背面の違い
fidataのモデルチェンジ、または現行モデルの中古品の出物が有った際には、購入を検討することにしましょう。