VituixCADを使ったシミュレーション・シリーズも、今回で一区切り付きましたので終わりにします。お付き合い頂きありがとうございました。
今回は補正回路有りと無しのケースで各ユニットの音響特性をArtaで測定して、VituixCAD上でチャンネルデバイダーの機能を使い総合特性をシミュレートしました。MidとHighのユニットにはアコースティックセンターで測定したデータ、Mid-LowのユニットにはNear Field、Far Field、そしてバッフル効果を合成したデータを使っています。下記はVituixCADのCrossover画面のイメージです。
下記は補正回路ありのケースで、軸上1mでの予想される総合特性(赤線)です。500Hz付近に小さなうねりがありますが、基になるそれぞれのユニットの特性が平坦化されましたので、クロス周波数ではかなり正確に6dB減衰しているのが分かります。(注)100Hz以下のエネルギー不足はサブウーファーで補っています。
デジタルチャンネルデバイダ上でディレーの機能を上手く使えば、下記の様に教本に出ているような Reverse Null が得られそうです。VituixCAD上でユニット別に遅延が変えられますので最適化が簡単に行えます。
下記は補正回路なしのケースです。バッフルの影響で、ゆるやかなコブば発生しているのが分かります。
バッフルステップ補正を行うまでは、バッフルの影響によるコブが発生して、クロス周波数の選択は消去法的な解決策を取らざる得なかったのですが、補正を行うことによって平坦な帯域が広くなり、クロス周波数の選択肢が増しました。この成果だけでも、スピーカーの勉強を頑張った甲斐がありました。聴感テストでいろいろなクロス周波数を試すのが楽しみです😀
バッフルの影響:ミッドのユニットの例
今回のシミュレーションでは意図的にリンクウィッツライリータイプのフィルターを使いましたが、私が使っているアキュフェーズのデジタルチャンネルデバイダーはバターワースタイプのフィルターのみをサポートしているようですので、このテーマばまた別な機会にしたいと思います。
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先日、近所で恒例の山焼きがあり、妻が迫力のある写真を撮ってきました😀