Myu Audio日記

オーディオ関連のブログです。

ダイナミックオーディオ 「Enjoy H.A.L.2019 Vol.1 」

先日、ダイナミックオーディオ HAL にてイベントがありましたのでお邪魔してきました。

今回のイベントの趣旨は、「一般的なオーディオ機器の試聴会ではなく、HALの音響空間(コンサートホール)で選び抜かれた展示製品(アーティスト)をフル稼働して、川又氏の選曲で音楽(演奏)を楽しむ」と案内がきました。

どのような機器で演奏されるかは、予告もなく当日まで分かりませんでしたが、もしかしたら私が気になっていながら、他のショップでは聴けない2種類のスピーカーでの演奏が聴けるのではと思い、我が家から秋葉原までは往復6時間ほど要しますが、川又氏の企画力および熱意に期待して参加しました。


主演アーティスト(今回は手前にある4種類のスピーカーで演奏)
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大変嬉しいことに、広い展示場や多目的ホールではなく、私がHALの音響空間で聴きたかった2種類のスピーカーでの演奏もあることを知り、心の中でガッツポーズ、テニスの試合でしたら ”カモーン” と叫んでいたところでした

夢の紅白戦? いや競演と呼ぶべきですね
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今回の主演ボーカリストとその演奏者のリスト(演奏順)です。リストには載せていませんが、スーパーハイエンドのケーブルやアクセサリー類が惜しみなく使われています。その総額は?千万円の世界ですが、今回は一夜だけですが、ガラスの靴を履いたシンデレラになったつもりで演奏会を楽しまさせて頂きました。


① Kiso Acoustic HB-N1
    + Integrated Amp ESOTERIC Grandioso F1
     + CD/SACD Player ESOTERIC Grandioso K1

② Bayz Audio Courante
    + Power Amp Vitus Audio SM-102
    + Pre Amp Vitus Audio SL-102
    + D/A Converter dCS Vivaldi DAC
    + CD/SACD Transport dCS Vivaldi Transport


③ HIRO Acoustic MODEL-CCCS
     + Power Amp ESOTERIC Grandioso M1 ×4/Bi-Amp
     + Pre Amp ESOTERIC Grandioso C1
     + D/A Converter ESOTERIC Grandioso D1
     + CD/SACD Transport ESOTERIC Grandioso P1


④ Y' Acoustic System Ta.Qu.To-Zero
     * HIRO Acoustic MODEL-CCCSの構成と同じ




Hiro と Y' Acoustic の演奏に使われたESOTERICのトップエンドモデル
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演奏会は、それぞれのスピーカーのベストポジションで一曲ずつローテーションする方式がとられましたので、参加者全員が公平に演奏を堪能することができました。やはり、音場型のスピーカーと言えど、ベストポジションで聴かないと判断を誤る恐れがありますので、川又氏のこのような心配りが嬉しいです。


① Kiso Acoustic HB-N1
ESOTERIC のプリメインアンプ Grandioso F1 で駆動された Kiso Acoustic HB-N1 で演奏が始まったとたん、部屋の空気が変わり、HALの試聴室にいた私が、どこか響きの良い小ホールに瞬間移動した感じです。我が家でこのような演奏ができているか自信がなくなります。演奏された音源やアーティストの情報をメモしていませんので、私の全体的な印象でしか感想を伝えられませんが、このようなコンパクトなスピーカーから豊潤な音楽が聴けるのなら、リビングオーディオや狭いリスニングルームの環境の場合、見た目や物欲さえ我慢できれば、これで十分と思えます。奥様方にも喜ばれそうです。マルチアンプ方式の我が家では、妻はスイッチすら入れられない状態です。


② Bayz Audio Courante
Bayz Audio Courante の特徴は、U型のエンクロージャー間に挟まれた超軽量素材で作られた円筒形メンブレンがラジアル(360度)に音を放射することのようです。自然界や楽器の音は一部を除いて無指向性ですので、この方式を採用することによって、より自然な響きでの音楽再生が可能になるそうです。ドームツイーターの何十倍もの面積がある円筒形のメンブレンから、360度均等に発散される音のエネルギーは、豊かで耳に心地よい音場になるそうです。演奏を聴いて、評価の高い音場型のスピーカーと大きく出音が違うとは感じられず、ウーファーのサイズとエンクロージャーの方式からくる制約を感じました。新しい方式ですので、まだ私の脳が追い付いていない可能性もあります。


③ HIRO Acoustic MODEL-CCCS
Esoteric の最上位機種で駆動された HIRO Acoustic MODEL-CCCS の演奏は、CD・SACDを4枚ほど聴かせて頂きましたが、その曲も私の期待を裏切ることはありませんでした。特にこのモデルはダブルウーファーですので、中高音とのエネルギーバランスが私にとって自然に聴こえます。原音再生の能力はどうかと問われれば、私には自信を持って答えることはできませんが、初動特性の良さと下方リニアリティの高さが十分に生かされ、私には音楽が実演奏と同じくらい立体的で瑞々しく聴こえます。情報量の多さは、私が聴いたスピーカーシステムの中では抜きん出ているように感じます。このように躍動感がある演奏を聴いていると、音符が楽しくダンスをしているような錯覚を覚えます。しかし、人によっては、明瞭すぎて艶がもう少しほしいと感じられるかもしれません。


④ Y' Acoustic System Ta.Qu.To-Zero
今日のトリは、デザインがとても特徴的で、一度見たら忘れられない Y' Acoustic System Ta.Qu.To-Zero です。川又氏が、上記の MODEL-CCCS のシステムと同様、「売るための妥協は一切なく、前人未踏の領域に達した音」とメルマガで紹介されていましたので、試聴の機会を待っていました。数千万円するスピーカーシステムを購入する財力はなく、そして個別試聴をお願いする厚かましさも持ち合わせていない私ですので、このようなグループ形式での試聴会・演奏会はありがたいです。MODEL-CCCS の音色が明瞭すぎると感じられる方には、 Ta.Qu.To-Zero の演奏は、「前人未踏の音」の世界かもしれません。

演奏時間が伸びたのと私の個人的な事情で Ta.Qu.To-Zero での演奏は MODEL-CCCS と共通の一曲のみ聴いて、後ろ髪を引かれる思いで演奏会場を後にしました。

今回の演奏会には、若い方が数名ほどおられ、このような現時点での「前人未踏の音」を体験されているのをみて嬉しく思いました。この方々は十年・二十年後にどのようなシステムを構築され、どのような演奏をされているのでしょうか。自分自身、長年かけて積み上げてきたシステムの規模を縮小することも考えなければならない年齢になって、自分が20代の時に聴いた当時の「前人未踏の音」の記憶が蘇ってきました。

最後に、「Enjoy H.A.L.2019 Vol.1 」 を企画されたダイナミックオーディオの川又氏に感謝をこめて。


*HALでの写真撮影は川又氏の許可を得ています。