Myu Audio日記

オーディオ関連のブログです。

感動のHIRO Acoustic MODEL-C8CS試聴会

プロローグ
 
「これを買える財力と住居を持つ人は、目的を持ってここに来れば聴くことが出来る。しかし、気軽にこのスピーカーを聴く機会に恵まれて、こんなにもオーディオと音楽は素晴らしいものだったのか、という喜びが広まってくれる事の影響はどうだろうか。」

.......

「こんなに素晴らしいものがあるんだったら、もっと多くの人々に知らせなければ!」そして、「売れる売れないは関係ない、むしろ、一生の目標として記憶するにふさわしい音質、究極ともいえる理想の到達点の音を提示する事が出来るこのスピーカーを、より多くの人々に知らせる事はハイエンドショップの使命ではなかろうか。」


これは四半世紀前にダイナミックオーディオの川又氏が「音の細道」の第四話「究極の音を体験し、理想の到達点を知ることの価値を問う 」で述べられた言葉です。価格は1500万円、5ユニット構成、片チャンネルの重量は325kg、高さは185cmのゴールドムンドのエピローグを展示するに至った川又氏の決意が文面から伝わってきます。
 
 
 


「Enjoy H.A.L.2019 Vol.4」
 
先日、ダイナミックオーディオ H.A.L. にて、夢のような試聴会 「Enjoy H.A.L.2019 Vol.4」 が開催されました。試聴室の写真にはたくさんのスピーカーが映っていますが、今回はHIRO Acoustic MODEL-C8CS のみが使われました。
 
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試聴会で使われた主要な機器は下記の通りで、国内メーカーのみで構成されていましたが、ケーブル類はWireworldやTransparent等の海外メーカーのものが多用されていました。
  • CD/SACD Transport ESOTERIC Grandioso P1X
  • D/A Converter ESOTERIC Grandioso D1X
  • Pre Amp ESOTERIC Grandioso C1
  • Channel Divider Accuphase DF-65
  • Power Amp ESOTERIC Grandioso M1 x 8
  • Speaker System HIRO Acoustic MODEL-C8CS
 
今回の試聴会では Accuphase のデジタルチャンネルデバイダー DF-65 と ESOTERIC のモノラルパワーアンプ Grandioso M1 8台を使ってHIRO Acoustic MODEL-C8CS をマルチアンプ方式で鳴らされました。ダイナミックオーディオで Accuphase の製品を取り扱うようになったことによって試聴会で使われる機器の選択肢が広がったのは嬉しいことです。ESOTERIC Grandioso クラスのデジタルチャンネルデバイダーを製品化してくれればなどと期待は膨らみます。

 


デジタルチャンネルデバイダー DF-65の設定は下記の通りです。MODEL-C8CS の後方の4個のユニットはサブウーファーとして160Hz以下を受け持ちます。
  • トゥイーター カットオフ周波数                                  3550Hz -18dB/oct
  • ミッド カットオフ周波数              400Hz -18dB/oct    3150Hz -18dB/oct
  • ウーファー カットオフ周波数      160Hz -18dB/oct    355Hz -18dB/oct
  • サブウーファー カットオフ周波数 160Hz -18dB/oct
 
合計16個の22cmのユニットの写真を見て MODEL-C4CS 以上の低音の量感を求めていると誤解をされそうですが、川又氏は4個のユニットをサブウーファーとして使用することによって、160Hz -355Hzの帯域を受け持つウーファーが混変調を受けることなく中低音域をよりクリアに再生することを主目的をされています。
 
試聴会はまず後方のサブウーファーをオフにして MODEL-C4CS としてキースジャレットのケルンコンサートのCDを再生、次に、上記の設定で MODEL-C8CS で鳴らされました。特に重低音の入っていないピアノソロの音源を使いウーファー160Hz以下の再生から解放することによって、中低音域がよりクリアになることを実演されました。
 
その後は川又氏の選曲で約2時間、ベスト(前列のセンター)ポジションを一曲ずつローテーションで替わりながらの試聴となりました。参加人数を制限した上で、ベストポジションを交代しながら聴く形式は有難いです。 MODEL-C4CS は音場感が広いスピーカーですが、やはりベストポジションでの音は格別です。録音に拘ったCD/SACDの再生もありましたが、録音がハイエンドの機器での再生を主ターゲットとにしていないビートルズ松田聖子のCDも川又氏の解釈付きで試聴しました。最近のビートルズのCDはプロデューサーが変わり、ビートルズメンバーの声がより自然に再生されるようになりハーモニーが美しいです。
 
川又氏より事前にCDの持ち込みは可(試聴は一曲まで)と伺っていましたので、当初は山下達郎の「アトムの子」を予定していたのですが、試聴会の前日改めて聴いてみて重低音が少ないことと音場感が狭い理由で、私が当日持ち込んだCDは若手有望株のパーカッショニスト Martin Grubinger の 「Drums 'n 'chant」 です。

Martin Grubinger 「Drums 'n 'chant」はパーカッションとグレゴリアンチャントとのコラボレーションのCDですが、Martin Grubingerはビッグバンドとの共演もありコンテンポラリー・ジャズの要素も感じます。このCDは普通のシステムで聴くと、演奏(録音も)の本当の良さは伝わらないようで日本や米国のAmazonでの評判はあまり宜しくありません。
 
お勧めのYouTube
Martin Grubinger and The Percussive Planet Ensemble - live at the ESC Eurovision Song Contest 2015

 


Martin Grubinger 「Drums 'n 'chant」
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HIRO Acoustic MODEL-C8CS で聴く Martin Grubinger 「Drums 'n 'chant」 は別格なオーディオ再生で、演奏良し・録音良しを存分に堪能しました。 まるで H.A.L の試聴室の天井が取り払われたかなのような空間(時空も)表現には「オーディオ的快感」すら覚えます。硬性の高いユニットにアルミニウム合金で作られた密閉タイプのエンクロージャーから生み出される質の高い低音あっての音楽再生なのでしょう。
 
前回行われた MODEL-C4CS の試聴会の参加者の感想で、 「輪郭をなでることができるような低音」 「彫りが深さく見える低音」と述べられていましたが、MODEL-C8CS を聴いて私も同じような感想を持ちました。
 
HIRO Acoustic MODEL-C8CS で聴いた Martin Grubinger 「Drums 'n 'chant」 は16ビット・44kHzのパッケージメディアにかかわらず、私が今まで最高の音楽再生でした。曲の終わりころには感動で目頭が熱くなりました。
 
 
 

エピローグ
 
「これからは売るだけの専門店でよいのか、目標と夢を与える試みは経費のむだ遣いか、売上げには直結しない試みをする店が日本に一つくらいあっても良いではないか。そして、こんな私の職業と営業方針に対する素朴な疑問に対して、実に多くの反響が寄せられたのである。多くの皆様のご意見が輸入商社の存在価値を高め、ハイエンドショップとして情報提供能力のレベルを高め、音を追究していく姿勢と活動を促す事になったのである。」
 
上記はプロローグで紹介した「音の細道」で川又氏が四半世紀前に述べられた言葉です。一昔前、世界一の電気店街の秋葉原にあれほどあったオーディオ店が今では数えるほどに減少している現実を考えると、ダイナミックオーディオおよび H.A.L.の理念が間違っていなかった証でしょう。
 
今回、夢のようなシステムで音楽を聴く機会があり、その結果も心に一生残るほどの完成度で、いろいろ感じるところのある試聴会でした。