Myu Audio日記

オーディオ関連のブログです。

高音域がきつい原因が判明😀

我が家のAccutonのシステムの音圧レベルはスピーカーから1mの地点で、各ユニットの直接波のみの音圧レベルが、なるべく平坦になるように調整しています。リスニングポイントではタイムアライメントと音圧レベルの微調整のみです。

 

市販のスピーカーの場合、無響室測定された平坦な周波数特性は時々雑誌などで目にします。しかし、一般家庭での特性は有りそうで無いなと思っていたところ、灯台下暗し、リスニングルームを設計する時に何回も読み返した石井伸一郎著「リスニングルームの音響学」にB&W 802を石井氏リスニングルームでお使いの2名の方が紹介されていました。部屋の寸法や仕上げは我が家とは異なりますが、参考にはなります。

 

 

 

石井著のB&W 802の周波数特性(黒線)に我が家のAccutonのシステムの直接波のみの周波数特性(青線)を重ねてみました。ひいき目かもしれませんが、私的にはかなり似たような特性で高域側のレベル調整に関しては何の問題もなさそうです。



下記(左)のグラフは我が家の残響時間です。低域は定在波の影響が出ています。上記のグラフにAccutonのシステムの直接波と反射波を含んだ周波数特性(赤線)を重ねたのが下記(右)になります。1kHz以下はほとんど基本波の場合と変わりませんが、1kHz以上では、最大で約3dB上昇しています。左右のグラフを比べると、周波数特性の傾向が似ているように見えます。

 

(注)Accutonのシステムで10kHz以上で減衰が大きいのはAccutonのツィーターの共振が33kHz付近に発生しているので、その影響を低減するために22kHzの1次のフィルター入れているのが要因です。

 

 

我が家のAccutonのシステムで、高音域が強いと感じていた理由は、我が家の残響時間の周波数特性を加味して、レベル調整していなかったことが原因のようです。ツィーターのレベルを数dB下げれば、より心地良く音楽が聴けるようになりそうです。このレベル調整はスピーカーの調整ではありますが、ルームアコースティック特性を補完する作業と捉えています。

 

市販のスピーカーでは普遍性が求めれていますので、無響室の特性がなるべくフラットになるように設計されているはず、と私は理解しています。もし、そのように設計されたスピーカーを我が家で鳴らすと、同じ様に高域が少しきつく感じる結果になる可能性があります。

 

しかし、ほとんどの方は心配無用のようです。

加銅鉄平著の「リスニングルームの設計と製作例」の残響時間周波数特性の欄に、一般的には残響時間は500-1000Hzの値を示すが、残響時間=響き感という捉え方をする場合、周波数特性の方が場合によっては大きな影響力を持つ、とあります。そして、下記の6つの代表的な形が紹介されていました。

 

加銅鉄平著の「リスニングルームの設計と製作例」(P70-71)より

 

加銅氏が設計目標にされているタイプEが、我が家の残響時間の周波数特性に近い形のようです。もし、我が家の残響時間の特性がタイプEでなかったら、今までの私の調整の仕方でも、完璧ではないが悪くはなかったはずと理解しています。石井氏の本に残響時間の周波数特性が5例ほど紹介されていましたが、タイプEの部屋はありませんでしたので、専門家の間でも設計思想は異なるようです。キラキラ感のある高音が好きな私は加銅氏に一票です😀

 

普段、タイプB、C、Dのお部屋で音楽を聴いて居られる方々からは、リスニングポイントでは高域は自然に減衰するものと、体感されていますので、そうでないケースの我が家の音を聴くと、お叱りを受けそうなレベル調整と思われる可能性があります。私もそうですが、他のお宅に邪魔した時には、自分の部屋で聴く音を基準に判断しますから。それぞれが「自分の音が好きだ!」で宜しいかと😀

 

音響理論に詳しい方からみると、とんちんかんな理解をしているかもしれませんが、少しだけスピーカーの調整の奥深さを理解したような気がします。部屋無くしてスピーカー語れません。そして、市販のハイエンドスピーカーを愛用されている方々に、Accuphaseボイシングイコライザーが支持されている理由も分かったような気がします。