我が家のリスニングルームの防音工事が完成したのが2015年12月、そして内装工事が終わったのが2016年10月です。折に触れて、残響時間を測定した結果がブログに残っていましたので、今回その結果を振り返ってみました。
左:和室の状態 中央:防音工事後 右:内装工事後
2015年12月(防音工事が完成直後)
部屋の容積は88㎥(床面積は14畳)で強化石膏ボードむき出しの状態での残響時間は平均で約0.6秒でした。壁にはサーロジックのSVパネル、定在波パネル、桧の合板数枚が立てかけてありますので、その影響(効果?)も測定結果には含まれています。
2016年11月(内装工事完了直後)
内装工事が終わって間もなく、スピーカーは天井の低い側、マイクロフォンは天井の高い側で測定したのが下記右の結果です。強化石膏ボードむき出し時は0.6秒だったのが桧で内装を仕上げた結果0.4秒に変化しました。低域の値は定在波の影響でマイクロフォンの位置でかなり変わりますので参考程度に見てください。
2018年11月(スピーカーの位置を移動)
スピーカーを移動しました。スピーカーは天井の高い側、マイクロフォンは天井の低い側で測定したのが下記右の結果です。
2020年6月(絨毯を搬入)
フラッターエコーが気になったことと居心地の良さを求めて絨毯を部屋に入れました。残響時間はほんの少しだけ短くなりました。
2023年(現在)
2020年6月の状態と部屋の大きな変化はありませんが、CDラックのアナログ機器の配置を変えています。強化石膏ボードむき出し時は残響時間が0.6秒だった部屋が、現在0.3秒です。
88㎥の部屋の場合、音楽鑑賞用には0.6秒(試聴用には0.35秒)が望ましいようですので、もう少しライブな部屋にした方が音楽がリラックスして聴けそうです。絨毯を移動すると残響時間が0.05秒ほど伸びそうなので試す価値はありそうですが、500Hzから8kHzに向けて残響時間が30%程上昇しているのが功を奏しているのでしょうか、あまりデッドに感じないのです。私の耳がそれに慣れてしまっているからかもしれませんね。
まとめ
防音工事が完了して強化石膏ボードむき出し状態の残響時間は88㎥の部屋では0.6秒で音楽再生には適した値のようですが、音楽耳ではなくオーディオ耳を持った私にはかなりライブに聴こえました。心地よく感じる残響時間は人それぞれなのでしょうね。一般的には石膏ボードに壁紙を貼って仕上げますので、強化石膏ボードむき出し状態で約10ヶ月過ごせたのは良い経験になりました。
その後内装工事で桧の板張りで仕上げして、残響時間は天井の高い側で0.4秒、低い側で0.3秒となりました。結果的に試聴用に適したデッドな部類の部屋になりました。天井の高い側と低い側の残響時間の差は、聴感的にも合っているような気がします。Accutonのシステムを鳴らす場合、天井の低い側で聴きますので、こちら側の残響時間をもう0.1秒程延ばせれば丁度良いかもと思っていますので、何か良いアイデアが浮かんだら試してみます。
*加堂鉄平著 リスニングルームの設計と製作例より転載
左:天井が高い側 右:天井が低い側
オーディオはいろいろな遊びの要素があって楽しいですね😀