Myu Audio日記

オーディオ関連のブログです。

ミッド用ユニットの聴き比べ

Scan-Speakシステムでの4ウェイでの試聴はまだですが、Ellipticorのミッドはボーカル系の曲を使ってフルレンジに近い帯域でエージングを進めています。

 

部屋も実験室状態から抜け出し、私の心の準備も整いましたので、下記の2種類のミッド用ユニットをモノラルで聴き比べを行いました。(注)対決ではありませんよ😅

  • Scan-Speak Ellipticor D8404/552000
  • Accuton C90-6-724

 

 

 

Scan-Speak はくびれ型のバッフルに搭載、Accutonは円錐型エンクロージャーに入れ、手元に有った工作用台にのせてのツッコミどころ満載のセッティングです。一応、試聴時に両ユニットの音圧を揃えるために、音響測定を行いました。両ユニットの4ウェイでの使用予定の帯域内での周波数特性は能率を除いて区別がつかないくらい似ています。

 


周波数特性は万能ではありませんが、ユニットの一面を理解するのには役にたちます。上記の周波数特性はAccutonのユニットの音圧レベルがScan-Speakと同等になるようにプリアンプのボリュームを調整した結果です。試聴時にはこの結果を基に、プリアンプの音量をユニット毎に調整します。個人的ななんちゃって比較試聴ですので、ここまでやる必要はないのですが…

 

試聴は両ユニットに不必要な負荷は与えないよう、300-7000Hzの帯域(それ以外の帯域は緩やかに減衰)で行いました。醸造途中の吟醸酒の可能性を見極めるのが目的で試飲しているイメージです。音源はボーカルや弦楽器の演奏を使用しました。

 

 

比較試聴の結果です。

情報量の多さ、下方リニアリティの高さ、生演奏に近い鮮度感を求めてソニーのコンプレッションドライバー(SUP-T11)を導入したのが約20年前、より高い空間表現力を期待して約10年前に導入したのがAccutonの太鼓三兄弟、そして最高のミッドと称される Scan-Seak Ellipticor  D8404/552000を導入したのが今年です。こうして振り返ってみますと、10年単位で私の前に魅力的なスピーカーユニット達が現れるようです。10年目の浮気?、いえいえ、どのスピーカーユニットも大事にしていますから、永遠のですよ😍

 

前置きが長~いと怒られそうですので、AccutonとScan-Speakのユニットを中音域そしてモノラルで聴いた感想を述べますね。結論から言います、Scan-Speakのミッドの音触(菅野沖彦氏の造語?)は、とても自然に聴こえます。Accutonの音は細身で長身のモデルさんと少し緊張してパステルカラーで彩られた高級店などをウインドーショッピングしながら散策している感じがするハッキリ・クッキリの音です。

 

Scan-Speakの音は上品で自然体の姿が人気の女優さんと近所のこぢんまりした神社で、「境内は静かで空気は特に澄んでいるよね、木々の葉っぱたちの囁きが聴こえてきそう」と言いながら寛いでいる感じです。これは私の心の声(妄想)なのですが、他の人にはまったく伝わりませんよね。Scan-Speakでは背景がとても静かなのです。そして、その効果で弱音であっても明瞭に聴こえるような気します。無音の表現に優れているのでは、と訳の分からない解釈をしたくなります。

 

Accutonで聴く立ち上がり感の早いピアノの演奏を聴くと、自分がイメージする正しくビアノの音だと頬が緩んでしまう私です。ヴァイオリンは豊潤な演奏よりキリッとした現代的な演奏が好みですのでAccutonはそれに応えてくれています。これは、剛性の高いセラミック振動板だからこそ得られる音色と思っています。

 

Scan-Speak Ellipticor はボイスコイルは楕円ですが、ソフトドーム系の振動板を採用しています。実を言いますと、私はソニーのホーンシステムの前はリボン型のApogee Caliper Signatureを使っていまして、ソフトドーム系のユニットを自分のシステムの鳴らすのは40年ぶりなのです。聴きやすさや心地良さは少し犠牲にしてでも、音離れ、立ち上がり感、鮮度感重視でスピーカーユニットを選択してきました。長らく、ソフトドーム系の音には、手に届きそうで届かない、見えそうで見えない、なぜかもどかしさを感じていました。よって、私の選択肢にありませんでした。すみません、私のまったく個人的な好みです。「ホーンの音は煩い」、「セラミック振動板の音はピーキーだ」と言われても私は受け入れますので、私の好みもご理解ください😅

 

Scan-Speak Ellipticor はソフトドーム系の振動板を採用していますが、音離れ、立ち上がり感、鮮度感重視の私にも何の不満もなく音楽に没頭できます。目をつぶって聴けば、羽の生えた音符の天使たちに手を延ばせは触れそうです。ピアノはAccutonでと思い込んでいましたが、Scan-Speak Ellipticor の方が自然なのかもと思えてきます。ヴァイオリンは間違いなくScan-Speak Ellipticor の独壇場ですね。これは期待通りの結果です。

 

Accutonのユニットの情報量の多さと鮮度感の高さなど満足していました。しかし、Scan-Speakのミッドの下方リニアリティの高さには驚きました。音の消え際および余韻が特に美しいのです。音と音の間を聴く私には、それがとても大事な要素なのです。

 

今回は、中音域のみをモノラルで聴いた私の好みに基づいた感想を紹介しました。今月末にAccutonのシステムを聴いて貰うオフ会を予定していますので、Scan-Speakの4ウェイでの試聴は10月に入ってからです。

 

次の10年後は、私は○○歳、生きていないかもと思える年齢になります。従って、私の自作スピーカー遊びは、断定はしたくありませんが、Scan-Speak Ellipticor のシステムであがりかもしれません。我がオーディオ人生に悔いは無し。

 

すっぱい葡萄に僻むことなく、足るを知る私です😅