最近はオーディオ機器の弄り遊びが無く、ブログの更新が滞ってしまいました。天気の良い日は庭の手入れとテニス、夜は読書をしながら音楽をまったりと聴いています。
オーディオのイベントやオフ会で自分のシステムで鳴らしたくなるような素敵な音源と出会うことが多々ありますが、ステレオサウンド誌のバックナンバー2016年夏号でも著名な評論家の私的なオーディオ名盤が紹介されており、音源選びの参考になります。
特集のPART2で私のオーディオ名盤「10選」で8名の評論家(菅原正二、桜井卓、小野デア弘滋、傅信幸、三浦孝仁、宮下博、柳沢功、和田博巳)がそれぞれ思いれのある私的な音源が計80枚紹介されています。私はその中から計6枚購入しましたが、今回は宮下博氏が紹介された下記の2枚が私のオーディオ名盤の仲間入りしました。
(1)ダウランド:暗闇に住まわせておくれ~メランコリーの7つの影
「・・・弦楽器なら羊を用いたガット弦による典雅で陰影に富んだ音色が肝要で、倍音域をふんだんに含む・・・脚のヴィオラと呼ばれるこの楽器の雅趣あふれるダークな響きの綾は、再生装置の音色表現聴力を端的に示す怖い”モノサシ”。ソプラノとリュートを加えた歌曲では、静まり返った教会に楽音が浮かんでは消え入る。天井の高さやデプスといった空間表現力と、各パートの精妙な描写力の兼ね合いを試す格好の指標となる。・・・」 宮下博氏の文中のコメントです。
(2)ロストロポーヴィチ,ブリテン シューベルト:アルペジオーネ・ソナタ
「・・・曲頭で慎ましく入ってくるピアノからして、会場のエアボリュウムを目いっぱい感知させつつ、楚々とした哀愁を表し、すぐにチェロが太くて温かい木質の胴鳴りをたたえて朗々と主旋律を歌いこんでいく。その濃厚で深いコクと、リアルな音像の力強さに息をのむ・・・」宮下博氏の文中のコメントです。
*注: 宮下氏はSACD版を取り上げていますが、私はCD版で聴いています。
このCDでのお気に入りは1968年 Snape Maltings Concert Hall で録音された一曲目のシューベルト アルペジオーネ・ソナタ イ短調です。多少オンマイク気味の録音ですが作為性は感じられませんので、ピアノとチェロの音色に上質なホールトーンが加わることによって、フルボディのワインを味わっているようです。ホールトーンが豊富ですがとても自然な感じですので、微小な音の余韻がたまらなく美しいです。そして、音量を上げて聴くと、ピアノとチェロだけの演奏がまるでオーケストラのような雄大な演奏に感じられます。そして、音場感がスピーカーより前に出て、ホールの前列で聴いて感じが自宅で味わえます。私的にはスピーカー後方に展開するサウンドステージの方が自然に感じられますが、これはこれで楽しめます。
木造建築で響きの美しい Snape Maltings Concert Hall
オーディオ名盤は猫君にとって心地良いようです😀 自然の中を走る回っている夢でも見ているのでしょうか、気持ち良さそうです。