Myu Audio日記

オーディオ関連のブログです。

フォノイコライザの試聴の前にちょっと寄り道(失敗は成長の種)

エルサウンドのフォノイコライザの試聴の前にちょっと寄り道です。予期せぬ問題に遭遇しています😅

 

フォノイコライザの比較試聴時にプリアンプのボリュームを午後1時の位置(@1mで100dB弱)まで上げたらハム音が出ているのに気付いたのです。この問題に気付いてしまった以上、本格的なフォノイコライザの試聴には移れません。オーディオ愛好家にとって比較試聴は、好き嫌いの世界だけに環境を整えた上で真剣に行うことを心がけるのが、機器を開発・設計した方々への最低限の配慮だと思っています。

 

DS Audio DS003導入前(写真左) 導入後(写真右)

 

ちなみに、我が家のアナログプレーヤーは事情があってターンテーブル部のみノッティンガム Spacedeck です。モーターは工業用のシンクロナスモーター、そして、アームベースは人工大理石を加工した自作品です。従って、今回のハム音の問題もすべて私の責任の範疇になります。


DS Audio DS003 を導入する前は、グランツのトーンアームに DS Audio DS001、ロクサンのトーンアームに TABRIZ-ZI に audio-technica AT-ART9XI を付けていました。この時には、ハム音が気になったことはありませんでしたので、何が起きたのでしょう?

 

現在のカートリッジとトーンアームの組み合わせ

組み合わせ① DS Audio DS003 + ロクサン TABRIZ-ZI + DS003専用イコライザー

組み合わせ② audio-technica AT-ART9XI + グランツ MH-10B +SUTHERLAND HUBBLE

 

現象の把握

組み合わせ①では、どんな条件でもハム音はでない。

 

組み合わせ②の場合

  • トーンアームがトーンアーム受けに載っている時はハム音がでる。
  • トーンアームをターンテーブル上に移動するとハム音はでない。
  • プレーヤーの回転を止めるとどんな条件でもハム音はでない。
  • DS Audio DS001 を audio-technica AT-ART9XI に替えるまでは 、トーンアームがトーンアーム受けに載っている時でもハム音はでなかった(気付かなかった)。

 

上記の現象から、 グランツ のトーンアームの近くに配置したACモーターがMC型のカートリッジ(AT-ART9XI)に干渉している可能性が高いです。下記の写真はちょっと前のもので、グランツ のトーンアームには DS Audio DS001 を取り付けていた時のものです。

 

 

 

下記は、2022年の写真(グランツ のトーンアーム導入前)です。この時点では、ACモーターの位置は視覚的のもとても納まりが良かったのです。もちろん、ハム音はでていませんでした。

 



この2年の間に、下記の変更が重なり合って今回のハム音の問題が発生したようです。

  • ダブルアーム化(グランツ のトーンアームの導入)
  • 光カートリッジとMCカートリッジの入替え



原因

グランツ のトーンアームにMCカートリッジを取り付けて、トーンアーム受けに載っている時のみ、ハム音がでることが分かりました。従って、MCカートリッジがプレーヤー駆動用のACモーターの近くにある時のみ、電磁誘導を受けていることが原因でほぼ確実です。トーンアームがトーンアーム受けに載っている時にプリアンプのボリュームを我が家の最大音量時の午後1時の位置に合わせることはめったにしませんので、この問題に気付くのが遅くなってしまいました。

 

グランツ のトーンアームに光カートリッジを取り付けていた時に、ハム音がでなかったのは、光カートリッジは原理的に電磁誘導は受けないからなのでしょうね。

 

解決策

暫定的な対策として、下記の様にプレーヤーベース(50mm厚の集成材)を90度反時計回りに回転させ、MCカートリッジをACモーターから遠ざけることにしました。その結果、トーンアームがどの位置でも、ハム音が発生することはなくなりました。心理的な効果とは思いますが、何となく弱音域の表現がより明瞭になったような気がします。「病は気から」と同様、「良い音は気から」ですよね。

 

 


上記の暫定的な配置でも悪くはないのですが、プレーヤーベースの左側の側面に新たにモーター用の切り込みを入れる予定です。プレーヤーベースの板厚は50㎜ありますので、心の準備ができたらルーターを使っての加工に取り掛かります。

 

 

 

先日の、スピーカーシステムの配置換えの時に、以前より音が良くなったと妻に言いましたら、「何で最初から、そうしないの?」と素朴な疑問で逆襲されました。「それを言っちゃあ、おしまいよ」と思いましたが、怖くて言い返せませんでした(フィクションです)😅


どんな問題でも、後から考えるとダメなのは明白ですので、失敗例は自分の胸の内に収めておきたい気持ちになりますが、備忘録として残すことにしました。失敗は成長の種と思っているポジティブ思考の私です😀

 

エルサウンドのイコライザーアンプがやって来る

ノッティンガムのアナログプレーヤーのモーターなし、トーンアームなしの中古品を導入したのが2021年1月、それ以来、VPIのアナログプレーヤー ARIES 3 Black Knigh の出番が無くなってしまいました。VPIのプレーヤーも縁あって我が家に来た機器ですので、たまには鳴らしてあげないといけないと思っていましたが、優先度が低くなかなか手が回りません。

 

VPI(左)のノッティンガム(右)アナログプレーヤー

 

 

VPI ARIES 3 Black Knigh にはオーディオテクニカのMCカートリッジ AT-OC9/III を取り付けています。AT-OC9/III は2009年発売された製品です。デザインおよび仕上げは私が昨年購入した AT-ART9XI より洗練されているように私には思えます。

 

 

 

ノッティンガムのプレーヤーは下記2種類の組み合わせで鳴らせるようにしてあります。

 

しかし、VPIのプレーヤー用にはフォノイコライザが無いのです。AT-ART9XI に接続している SUTHERLAND HUBBLE を使うのもありなのですが、聴くたびに接続を変えるのは面倒くさがりの私には無理です。セレクターを使う案もありますが、ミリボルトレベルの信号経路での使用には躊躇します。

  • audio-technica AT-OC9/III  + VPI JMW-9 + フォノイコライザが無い

 

そこで、audio-technica AT-OC9/III 用にフォノイコライザを導入することにしました。VPIのプレーヤーに接続された audio-technica AT-OC9/III  はスタメン扱いではありませんので、お値段以上の高音質のフォノイコライザが市場にないか調べたところ、

にたどり着きました。

 

このフォノイコライザは 2007年発売された製品のようですが、なんと現在でも製造されていまして、納期一週間で入手できました。

 

下記はメーカーのホームページに記載されたメッセージです。そのメッセージから誠実さを感じましたので、自分の直感を信じて試聴機を借りることなく購入を決めました。

  • 見かけのデザインに敢えて費用をかけずに極力低予算で音そのものを楽しんで頂ける製品を目指しました。 のっぺりとした只綺麗なだけの音ではなく本来在る情報を極限まで再現したいが信条です。 CDを否定は致しませんがレコードの方が良いと認識出来る装置を目標にしたいものです。 価格と音質は比例いたしません。 音決めは光悦のカートリッジ、昇圧トランス、マークレビンソンのプリアンプで構成したシステムを手許に置いて比較しながら決定しております。

 

EMC-2 の仕様は光悦のカートリッジの使用を基準にされているようですので、AT-OC9/III  用に仕様を一部変更して貰いました。このような細かい対応をして貰えるのはガレージメーカーの良さですよね。

  • 入力インピーダンス: 4.7Ω から 100Ω に変更
  • ゲイン: 72dB から 66dB に変更

 



サブシステム用のフォノイコライザとは言え、どんなオーディオ再生と出会えるか楽しみです。もし、エルサウンド EMC-2 が SUTHERLAND HUBBLE より私好みの音を出してくれたら前者を audio-technica AT-ART9XI と組み合わせてメインのノッティンガムのプレーヤーで使用するのも一案です。EMC-2 は「価格と音質は比例いたしません」と言うほどエルサウンドの自信作のようですので、下剋上があるかもしれません。

 

音楽との結びつき:オーディオ愛好家の心象風景

今回の配置換えでScan-Speakのシステムを傾斜天井の高い側に移動しましたので、音響測定をしながらシステムの確認(微調整も含めて)を行っています。

 

システムの確認をしながら改めて気づいたのが、私は高音域が明瞭に鳴るリスニングルームが好き、そして、緻密なオーディオ再生をしてくれるAccutonとScan-Speakのシステムが大好きだということです。これは、たまたま手に入ったリスニングルームとスピーカーシステムが私の好みに合ったのか、私の好みが現状に寄り添うようになったのかは分かりませんが、人生は人やモノとの出会いは「運」も大きく作用していると思います。

 

私にとって居心地の良い空間

 

 

システムの確認を兼ねて音楽を聴いていたら、これが「自分が好きな音だ、そして長年求めてきた音だ」と脳の一番奥の方から囁きが聞こえてきたのです。もし、オーディオ誌でグランプリを受賞した機器を好きなように組み合わせてお持ち帰りくださいとオファーを貰っても、間に合っていますので好意だけ頂きますと、今の私は辞退すると思います。完璧からは程遠い我が家のオーディオ再生ですが、伸びしろの部分も含めて今の出音が好きなのです。

 

私が枯れてきたのか、悟りの境地に達したのかは分かりませんが、今のオーディオの規模(もちろん音も)が私にとって心地良いです。音楽を聴き始めて数分で寝落ちできるのは、正しく極楽浄土の世界です。このまま、三途の川を渡ったとしても、我が人生に悔いはなしですが、今はまだ音楽が終わると目が覚めますので、神様・仏様から「音楽をたくさん聴きなさい」と言われているようです。

 

私の最近の心情を綴ったこのブログのタイトルがなかなか浮かびませんでしたので、AIの助けを借り「音楽との結びつき:オーディオ愛好家の心象風景」としました。

 

 

ヒツジの皮を被ったオオカミ的な音源(録音)との遭遇

リスニングルームの配置換えがほぼ完了して、ようやく音楽を聴くモードになっています。そして、嬉しいことに、この新配置がSonyウーファーと組み合わせたScan-Speakのスピーカシステムのファイナルアンサーとなりそうです。

 

Accutonのシステムを使う時の配置は、今のところ良いアイデアが浮かんでいません。当面はScan-Speakを鳴らす予定ですのでゆっくり考えます。

 

たまたまレコード棚から取り出したメータ/ロス・フィル演奏のリヒャルト・シュトラウス家庭交響曲の録音が素晴らしい(私好み)のです。録音が素晴らしいと感じるので、きっと演奏も素晴らしいのでしょう。1969年の録音です。

 



この家庭交響曲は現代風に表現するとインスタ映えする交響曲ではないようですが、メータ/ロス・フィル演奏の録音を聴くと、クラシックの初心者の私にもこのオーケストレーションの緻密さが伝わってきます。

 

録音・演奏が評判の名盤は多数ありますが、この盤の録音の最大の特徴は、ステレオ録音(2ch)という制約があるにもかかわらず、高さ方向の定位が自然で、まるで我が家のリスニングルームにオーケストラの団員が水平および奥行方向に加えて高さ方向(ひな壇)に配置されて演奏している感じが得らるのです。弦、木管金管、打楽器奏者の水平方向の配置だけではなく、垂直方向の配置も明瞭に聴きとれるのです。ハイレゾ音源でもこのようなオーディオ再生を経験したことはありません。

 

カートリッジは audio-technica AT-ART9XI でも十分にこの録音の良さは味わえますが、DS Audio DS003ではひな壇の上に配置された打楽器類の低音部がより明瞭に聴こえますので、より3次元的なオーディオ再生が体験できます。

 

このメータ/ロス・フィル演奏のリヒャルト・シュトラウス家庭交響曲で「マイベスト・アナログサウンド」更新はもちろんですが、「マイベスト・オーディオサウンド」を更新できました。

 

他の方々と比べられるようなレベルではないですが、まさか自分のリスニングルームでこのようなオーディオ再生に遭遇するとは思いませんでした。筋肉痛になりながらも配置換えに頑張った私に、神様が微笑んでくれたのかもしれません。

 

私のお気に入りのハイレゾ音源が、アナログレコードに追い越されてしまったのです。しかし、メータ/ロス・フィル演奏のリヒャルト・シュトラウス家庭交響曲での経験が、これらのハイレゾ音源を改めて聴くと、今までとは違った聴き方ができるかもしれません。一度聴きとれるようになると、その些細な違いも聴こえるようになるようです。

 

 

 

演奏、録音、そしてオーディオ再生は三位一体だと改めて実感した一日でした。

 

 

失敗したらもう一度やってみればいい

「またかよ!」と言われそうですが、部屋のレイアウト変更に精を出しています。AccutonとScan-Speakのシステムの両立を目指して、後者を傾斜天井の低い側から高い側に移動したのが1ヶ月です。鳴らしていないAccutonのシステムは音響パネルの裏に隠れています。

 

写真左:1ヶ月前           写真右:2ヶ月前 

 

 

下記はScan-Speakのシステムを傾斜天井の高い側に置いていた時(1年前)の写真です。この時はAccutonのシステムはバージョンアップ中で、暫定的にリスニングルームの外に置いていますのでスピーカー側がスッキリしています。閉ざされた部屋を意識させない広大な音場感が記憶に残っています。この時、ウーファーにはAccutonのユニットを使っていますが、後に200Lのエンクロージャーに入ったSonyウーファーの方がScan-Speakとは相性が良いことが分かり、連立方程式の制約条件が変わり、システムの最適化に私の脳がついていけていません。

 

1年前の暫定的な配置

 

 

以前にも紹介しましたが、サミュエル・ベケットのが書いた戯曲の中のセリフが私の背中を押してくれます。

 

  「まず踊れ。考えるのはそれからだ。」

  「失敗したらもう一度やってみればいい。」

   「そして、また失敗することです。前より上手に失敗することです。」

 

私は、以前の配置が失敗だとは思っていません。私の求める要素の重み付けや制約条件が変わりますので、最適解もその都度変わるのです。

 

 

今回の配置(暫定版)

私の記憶に残っている「広大な音場感」を求めて、鳴らしていないAccutonのシステムの目隠し用に置いた動かせる壁(音響パネル)を移動させたくなります。そのためには、Accutonのシステムを部屋のどこかに移動させなければなりません。家庭内のパワーバランスで、他の部屋に移動する選択肢はないのです😅

 

思い切って、鳴らしていないAccutonのシステム(ウーファー用エンクロージャーと太鼓三兄弟)を試聴側の右壁側に移動させました。数年前までは太鼓三兄弟は私一人で持ち上げられていたのですが、筋肉量が減ったようでもう持てませんので、妻に手伝って貰いました。妻は「私はほどんど重量を感じていない」と言っていましたが、手を添えてくれるだけでも助かります。

 

 

 

現在(写真上の状態)は8割くらいの完成です。次の改善点は、試聴側に移動した高さ1.4mのAccutonのシステムの存在感が気になりますので、もう一工夫必要です。寝ながら考えることにします😅

 

重量物の上下の移動は体力を使いますが、水平方向の移動はわりかし楽に行えます。移動元と移動先の高さを揃えるのに、下記のようなモーターサイクル用ジャッキがあると便利かもしれません。

 

 

DS Audio DS001からDS003へ

我が家にDS Audioの第一世代の光カートリッジ DS001の中古品がやって来たのが2022年です。 DS001の発売は2013年ですから、いつもながら周回遅れの出会いです。巷で評判の光カートリッジを自分のシステムで聴いてみたかったのが導入した動機です。本命はこのモデルではありませんでしたが、ダメでも諦めのつく価格でしたので購入しました。

 

DS Audio DS001 

 

 

DS001の出音は、超低域の精度の高い再生は素晴らしいのですが、 空間表現の狭さと弱音域の情報量が少なさは、私にとっては致命的でした。昨年導入したaudio-technica AT-ART9XIと聴き比べてもその差は歴然です。DS001はDS Audioにとって第一世代の製品ですから、生まれながらの天才はいないのと一緒、避けられない道のりだったのでしょうね。

 

DS001の購入は2022年10月でしたが、実はその4ヶ月前に第三世代目のDS003(カートリッジとイコライザーのセット)を自宅試聴させて頂いていたのです。DS003の出音は私のイメージ通りで、購入にかなり傾いていたのですが、上位モデルDS-W3が近々発売されることを知り、それを聴いて判断しても遅くはないと思い、DS003の購入を思い留まった経緯があります。

 

後日(2022年9月)、DS-W3のカートリッジとイコライザーのセットの価格を知り、私の領域ではないと悟りました。そんなこともありDS003の導入は保留になっていたのですが、最近お世話になっているショップにDS003の在庫があることを知り、試聴に伺い、今回晴れて購入に至りました。DS003を見初めてから2年、ようやく私の恋が実ったのです。

 

DS Audio DS003 カートリッジ

 

 

DS Audio DS003 イコライザーアンプ

 

 

とりあえず設置が終わった状態で、仮試聴していますが、「マイベスト・アナログサウンド」更新の予感がします。そして、デジタルよりアナログ再生の方が魅力的(好み)と言われる方々の気持ちが、生まれて初めて理解できたような気がしています。

 

異次元のサウンドステージ:圧倒的な音数と立体感

先日、Fさん宅にお邪魔して、自分では絶対に出せないレベルのオーディオ再生を堪能してきました。ブログ仲間の紹介で初めてFさん宅を訪問したのが2018年、そして、今回で5度目の訪問です。

 

Fさんのメインのリスニングルームには4種類のスピーカーが配置されていますが、我が家より2回りは広い部屋ですので、配置の自由度が高いです。今まで、その4種類スピーカーを聴かせて頂いた時期は下記の通りです。

  • McIntosh XRT22S 2018年3月
  • JBL ホーンシステム(計12ユニットで構成) 2018年5月
  • JBL Ti10K 2019年5月
  • SONY SS-G9 2019年9月

 

前回の訪問までは、1日1セットのスピーカーでの再生でしたが、今回は前半の部ではJBL Ti10K後半の部ではMcIntosh XRT22Sを使い、Fさんお気に入りの音源を聴かせて頂きました。

 

美意識の高い音響空間

 

 

前半の部:JBL Ti10K

JBL Ti10K(1999年発売)はバスレフ⽅式ラウンドエンクロージャーを採⽤したスピーカーです。JBLですが製造はデンマークだそうです。デザインが洗練されてるのはそのせいかなと思った私は先入観に支配されているのかもしれません。このスピーカーの構成は4ウェイでクロスオーバー周波数 250Hz、1kHz、4kHzで、4ウェイのシステムを構築している私には参考になる情報です。そして、ユニットの構成と振動板の材料は、下記の通りです。

  • 低域:  20cmコーン型ウーファー 2個 ポリプロピレン
  • 中低域: 16.5cmコーン型ミッドローユニット ポリプロピレン
  • 中⾼域: 10cmドーム型ミッドハイ チタン
  • ⾼域:  2.5cmドーム型ツィーター チタン

 

Fさん宅のJBL Ti10Kは、Fさんの拘りでピアノフィニッシュでユニットの状態も新品同様です。とはいえ、20年前に開発されたスピーカーの音だろうと思っているあなたの期待を良い意味で裏切ってくれること間違いなしです。もちろん、好みはあると思いますが、現代の数百万クラスと互角に勝負ができそうです。エンクロージャーは縦長の箱型ではなく、傾斜のついたフロントバッフルと滑らかな曲線のサイドパネルで構成されていますので、曲線フェチの私には納得のデザインでもあります。

 

Fさん宅のJBL Ti10Kは幸せなスピーカーです。上記の写真のような素敵な音響空間が舞台なのですから。駆動系はマッキントッシュのプリとパワーアンプです。だからという訳ではありませんが、部屋の剛性の高さ、部屋の定在波の領域の吸音処理、Fさんの音作りの上手さがオーディオ再生を意識することなく音楽再生が味わえます。この音楽再生をオーディオ用語を用いて表現してもなんだか野暮に思えてきます。滅多にないことですが、オーディオ用語が私の脳から出てこないのです。私だってオーディオではなく音楽を聴くこともあるのですよ~

 

 

後半の部:McIntosh XRT22S

McIntosh XRT22Sは1986年発売の23個のツィーターアレイが特徴のスピーカーです。シングルユニットでは球波形ですが、ツィーターアレイでは半円筒波形となり、音伝達のエネルギー・ロスを抑え、繊細かつ立体感溢れる再生が可能、とカタログには謳ってあります。

 

 

 

点音源が命の方からは、2ウェイ以上はToo Manyと拒否反応をおこされ、23個のツィーターアレイなどとんでもないと言われそうですが、音場感と鮮度感が命の私にはMcIntosh XRT22Sの音楽再生はとても自然に聴こえました。評論家の菅野沖彦氏が愛用されていたのは型番違いのXRT20ですが、JBLと両立されていたのが理解できます。

 

McIntosh XRT22Sはニアフィールドの環境で聴くスピーカーとは対極に位置されるスピーカーです。従って、このスピーカーを気持ち良くならせてあげるには、それ相応の舞台を用意してあげる必要があります。その条件を整えてあげれば、劇場版スクリーンに映し出される超精細な映像を観ながら、音楽を聴いているような感覚が味わえます。Fさんは上流には国産の機器を大切に使われています。それらの機器も紹介したいのですが、それらの良さが評判になると、中古市場に影響を及ぼし、Fさんのご迷惑になりそうなので私の秘密にしておきます。

 

部屋という物理的な壁を超えた広大なサウンドステージ、高解像度から得られる音数の多さと立体感のある音楽再生には圧倒されました。ルームアコースティック、スピーカー、電子機器、使いこなし等の要素が高い次元で具現化されると、このような異次元の音楽再生ができるのですね。そして、Fさんが選曲された楽曲は正しく私のストライクゾーンで、演奏良し、録音良しでした。このようなオーディオ再生を超えたレベルの音楽再生で聴くと、健康寿命がもう10歳くらい伸びそうと思いながら帰途に就きました。

 

出不精の私ですが、春と言ったらキャンディーズです。ちょっと怪しい歌詞の部分もありますが、気にしないでください😍

 

家にいてばかりいたって 幸せは来ないから
重いコート脱いで 出かけませんか
もうすぐ春ですね
オフ会に出かけませんか