前回は、私の好みの音(オーディオ再生)を紹介させて頂きました。
今回はステレオ誌(5月号)で
- 「私の音、あなたの音」 ~筆者5組10名によるオーディオルーム往来対談~
と題して20ページにおよぶ特集が組まれていましたので、私の感想を含めて紹介します。
ステレオサウンド誌でも同様な特集が組まれたことがあり、私のお気に入りの分野です。私は熱心なステレオ誌の愛読者ではありませんが、今回はステレオ誌を中心に活躍されている評論家の「私の音」そして「リスニングルーム」が拝見できる機会ですので、購入して精読しました。
吉野編集長の冒頭の言葉です。
読者の皆様にも他人のオーディオルームを訪問する楽しさみたいなものを体感していただくべく、今回この特集を構想しました。普段書き手の方々同士がお互いの家を訪問して、どのように感じるのか。オーディオの評論家が別のオーディオ評論家のオーディオルームを評論するみたいな。
<中略>
それぞれが独自の美学を持っているので、それに対して褒める、貶すといったことにはならないと想いますが、編集会議でこの組み合わせは面白そうだと挙がった人をぶつけています。 お互いに刺激的な発見があるはずなので、そこを上手く伝えられるといいと思っています。
第1組 石田善之氏と生形三郎氏
録音、工作と多様な分野で共通点のあるお二人のオーディオ評論家による相互間試聴室訪問記
石田氏のリスニングルームは美意識が高く居心地が良さそうな空間ですね。生方氏のリスニングルームは我が家のスピーカーシステムの配置が最も近いですので親近感が湧きます。二人は親と子くらいの年齢差があるせいでしょうか、会話が先生と生徒の関係の域を出ていないようで、私にとって取り立てて印象に残った会話はありませんでした。
第2組 潮晴男氏と福田雅光氏
旧知の仲ではあるものの、試聴室に訪問するのは初めてだという二人、お互いの音を聴き比べ、今何を思うのか
潮氏はATCのスピーカーシステムを使い映像を含めた立体音響にも対応されたいるようです。福田氏は「趣味の部屋」ではなく、個人の嗜好がまったく感じられない「仕事用の試聴室」を紹介されています。この特集の意図からすると、ダイヤトーンのDS-5000が鎮座する「趣味の部屋」で対談して欲しかったですね。
二人の対談ではケーブルの重要さを強調されていましたが、マルチアンプ方式をやっているとケーブルの数が多くなるのと、パッシブネットワークを取り除くことによる音の改善を知ってしまうと、ケーブルの重要性は理解はしますが、酸っぱい葡萄と同様、優先度はかなり低いです。オーディオ誌では高額なケーブルやインシュレータなどが特集されていますが、不思議と私の周りにはそちらを頑張っている人は誰一人いないのです。「類は友を呼ぶ」なのでしょうね。
片やジャズ・オーディオとどっぷり浸かるレーベル主催者、片やクラシックの知識も交えた多角的な視点から最先端のオーディオを語る評論家。様相も真逆な部屋を行き来し、見えて来た着地点は?
寺島氏の部屋は正しくオーディオのワンダーランドですね。しかし、私にとって音楽を聴く時に視覚が邪魔されそうで落ち着かないと思います。きっと、山之内氏も同じように感じられたのではないでしょうか。文章からそれを感じ取れます。ちょい悪おやじと正統派の会話、かみ合っているようないないような。
山之内氏は福田氏と同様「趣味の部屋」ではなく、個人の嗜好がまったく感じられない「仕事用の試聴室」を紹介されていますので、特にコメントもありません。
第4組 山本浩司氏と田中伊佐資氏
38cmウーファー+ホーンスピーカーでそれぞれ求める音の違い
山本氏と田中氏はオーディオ機器と音楽の嗜好が似ているようで、会話が一般のオーディオ愛好家のオフ会に似ているような気がします。二人がオーディオ談義を楽しんでいるのが伝わってきます。違いといえば、山本氏はオーディオ評論が生業で、趣味性ばかりを追求するわけにはいかないと述べられ、田中氏は、再生はレコードのみ。オーディオは趣味で、興味がないデジタルソースを極めようとは思わない。ずっとアマチュアでいたいと述べられています。
最後に、上記の評論家たちの中から一軒だけ訪問できるできるとしたら、私は自作スピーカーシステムをマルチアンプ方式で鳴らして居られる生形氏のリスニングルームを選びます。生形氏はラックスのパワーアンプをお使いですので、音の好みは私とは違うかもしれませんが、その辺も含めてお話をしてみたいものです。そして、生形氏には、AccutonとScan-Speakのユニットで組んだ私の自作スピーカーシステムを聴いて欲しいです。
もしかしたら、ステレオ誌で評論家と読者のリスニングルームの相互訪問の特集を企画されるかも😅
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延ばし伸ばしになっていたフェンスのペンキ塗りをしています。このフェンスは築8年になり一部腐食していますので、今回は気合を入れて、下記のように板を外してペンキを塗っています。ペンキを塗った後の板の乾燥用に、手元に有る物で台を作りましたら、妻から「すご~い!」と褒めて貰いました。
日本のおじ様たちは、オーディオのイベントなどでも口角を下げて厳しい表情、そして褒めるのを出し惜しみしておられるように私には思えます。褒めるのはタダで消費税もかかりませんよと、教えてあげたくなります。
人間、幾つになっても褒められるのは嬉しいものです😀