Myu Audio日記

オーディオ関連のブログです。

トンネルの先に光が見えてきた

Scan-Speakのユニット(Midwoofer&Tweeter)をホーンシステムに組み込んで、音の調整に励んでいたのですが、一部の音源での音の滲みの課題は残ったままでした。その原因としてユニットそのもの、スピーカーの振り角、部屋の反射の影響などが思い当たり対処しましたが期待していた程の効果はありませんでした。

 

しかしながら、頑張っている者には、神様が応援して福も来るようです。朝起きたら、突然閃いたのです。

 

音の滲みの一番の要因は、ツィーターから発せられた音の一部が円形ホーンの淵で反射のようです。以前、ホーンの淵に吸音材を置いて試したことがあったのですが、その時はまだシステムの完成度が低かったせいか、吸音材の効果に気づきませんでした。この写真を一目見ただけで、設計に問題があることが分かっていた方々は流石です。私はこのデザインが視覚的に一番しっくりきたので採用しましたが、反射の影響は私の想像以上でした😅

 

 

 

私は試聴と測定は両立する(補完関係にある)と考えているタイプですので、上記の仮説を測定して検証しました。青線が上記の設定でのインパルス応答の結果です。3.3msec付近に小さなピークが発生しているのが分かります。赤線はその対策をしたときの特性です。完璧ではありませんが、Better than Beforeです。

 

 

下記の写真はツィーターから発せられた音が円形ホーンの淵で反射される対策を施したものです。ツィーターをホーンの上にのせて面一にするのが一番自然かもしれませんが、今回はホーンの音道をなるべく邪魔しないギリギリの高さにツィーターを配置する案を選択しました。ドライバーとツィーターの間隔は、以前の配置では29cm、新しい配置では20cmになり音の繫がりがより自然になれば嬉しいです。この配置もダメ出しされそうですが、Scan-Speakのシステムは年内には独立する予定ですので、これ以上の深追いは止めます。見た目の改善の工作も無しです。

 

 

 

それから、今回新たな発見がありました。ツィーターには取り付けネジを隠す目的で下記のようなフランジが付属しています。

 

 

下記の赤線のインパルス応答の結果は、対策後の配置にした後、ツィーターのフランジを付けたものです。このフランジによる反射も確認できました。我が家の場合、バッフルが実質的にありませんので、それが影響している可能性があります。

 

 

 

下記は中音用ドライバーとツィーターのみを鳴らした時の周波数特性(@1m)です。マイクロフォンは二つのユニットの中間点に向けていますので、ツィーターの軸上ではありません。クロスオーバー周波数は約2800Hz、減衰量は24dB/Octで実験した時のものです。クロスオーバー周波数と減衰量は、スピーカーの振り角も加味しながら、音色、音像、音場など自分に一番しっくりくる音を出してくれる値を選択します。

 

ホーンドライバーの領域でピークやディップが発生いているのは、ツィーターのボディがホーンの音道を邪魔している可能性があります。心配するくらいなら確認するのが一番です。ツィーター有りと無しの状態の特性を比較してみました。確かに、ツィーターが無い時の方が、ほんの気持ち程度ですがスムースですね。試聴で音に滲みを感じなければ良しとします。得るものがあれば失うものもある、それを天秤にかけて自分の基準で判断・実行するのが設計です。

 

 

 

本格的な音の調整はまだこれからですのでぬか喜びは禁物ですが、少なくてもスタート地点には立てたようです。先日ドタキャンしたオフ会が一週間後くらいには開けるよう頑張ります。

 

最後に、今回の問題解決のプロセスで多くを学びましたので、私の自作スピーカーの偏差値が少し上がったかもしれません😀