Myu Audio日記

オーディオ関連のブログです。

ホーンシステムの測定と調整(低音・中音編)

今までの経験と聴感を基にデジタルチャンネルデバイダーの設定を見直しましたらホーンシステムでかなり自然な感じ(私の脳内イメージです)で鳴るようになりました。

 

音響測定が大好きな私としては、「私の聴感」と「測定データ」の相関に興味があります。絶対音感どころか人並の音感もなし、耳鳴りと老化で高域の聴力も衰えている私ですので、パソコンで簡単に音響測定ができる便利な時代になりましたので利用しない手はありません。

 

下記は我が家の低音(Sony SUP-L11)、中音(Sony SUP-T11)、高音用(Technics EAS-10TH1000)ユニットのフィルター無しで、それぞれのユニットから1mでの周波数特性です。薄紫はリスニングルームの暗騒音の10回の平均値です。縦軸の音圧レベルは校正していませんので絶対値は参考値です。下記の特性では低音と中音は800Hz辺りでクロスするのが良さそうですが、38cmのウーファーで中音域を鳴らすことになりボウボウした出音になります。これが大口径のウーファーが嫌われる一因にもなっているようです。かと言ってあまりクロスオーバー周波数を低くすると解像度は感じられますがグルーヴ感がなくなりますので、その調整にオーナーの好みが出ます。

 

 

下記は低音用ユニット Sony SUP-L11 の1mでの周波数特性です。ユニットは約200Lの密閉型エンクロージャーに入っています。赤線はユニットのフィルター無し時の特性です。カットオフ周波数は中音に使っているホーンのサイズによる特性で悩むところですが、今回は400Hzに固定して、減衰特性を6dB/12dB/24dB/48dB/96dB/octaveと変化させて測定(3回の平均値)しました。どの減衰特性を選ぶかは、好み(美しいと感じる女性の体形と一緒?)、人それぞれだと思います。私は女性はやや細目、音はスッキリ系が好みですので24dBか48dB/Octで、最終的には直接お話(聴いて)して決定です。96dB/Octはダイエットに頑張り過ぎて不健康のような…… それぞれ人の好みで宜しいかと😀

 

 

下記は中音用ユニット Sony SUP-T11 の1mでの周波数特性です。ユニットはΦ46cmの円形ホーンに取り付けています。カットオフ周波数は400Hzに固定して、減衰特性を6dB/12dB/24dB/48dB/96dB/octaveと変化させて測定(3回の平均値)しました。どの減衰特性でも良さそうですが、私は24dB/Octと48dB/Octをその時の気分によって使い分けています。

 

 

低域と中域のユニットのカットオフ周波数を両者とも400Hzに設定、減衰特性を24dBと48dB/Octに設定した時の1m地点での特性です。両者の総合特性は瓜二つになりますので、「だから、測定ではなにも分からない」と言われそうですが、その総合特性は表層で、その深層(-30から-60dBの減衰域の世界)には聴感に近い情報があると、私は理解しています。私の認知バイアスが影響しているかもしれません。

 

過去のブログを見ましたら、2012年に山本音響のホーンSS-300を使っていた時の測定データがありました。Woody&Allenさん製作の46㎝の円形ホーンの周波数特性の方が良さそうです。

myuaudio.hatenablog.com

 

次回は中音と高音ユニットの測定と調整がテーマの予定です。

 

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先日、NHKの番組クラシックTVで「ピアニスト グレン・グールドの世界」 と題してグールドを紹介していました。それを観た妻が「あなたのシステムでグールドの演奏が聴きたい」と言ってくれました。ホーンシステムの音の良さが妻をリスニングルームに呼んでくれたようです😍