電車に揺られて2時間ちょっと、久しぶりに都会の空気を吸ってきました。駅の構内には人と環境音の洪水に戸惑ってしまいます。普段は人と言えば犬の散歩をしている人達、環境音と言えば小鳥たちのさえずり、そんなスローライフに慣れた私の脳がビックリしています。
そんな中、東京駅の出口では、結婚式用の写真を撮っている花嫁の姿(写真中央の下)がありました。思わずスマホを取り出して、幸せ感のおすそ分けを頂き、さい先の良いスタートとなりました。
幸せそうな花嫁さんを見た後は、OTOTENの会場である東京国際フォーラムに向かいます。目的の一つは、オーディオテクニカのカートリッジ「AT-ART20」を聴くことです。アイアンマンを連想させるデザインが気に入った「AT-ART20」の音を聴いてから、先日紹介しました光カートリッジを購入を決定します。
「AT-ART20」のセッションはオーディオ評論家の小野寺弘滋氏が担当されました。小野寺氏はセッションが始まる直前にレコードの冒頭10秒くらいを4・5回鳴らしてトーンアームの調整をなされていました。オーディオテクニカの担当者のお話によると前日調整はなされたそですが、部屋の温度や湿度そして人の数も変わりますので、微調整が必要だったようです。たった冒頭の10秒だけを聴いて、アームの高さ、アンチスケーティング、そして針圧を調整されるのですから、さすがプロの技を垣間見た瞬間でした。”ほんとうは半年間かけて調整したい”と小野寺氏も述べられていましたが…
「AT-ART20」の音を聴いての感想は、鳴らしやすい・聴きやすいカートリッジと感じました。オーディオテクニカのカートリッジには珍しく、良い意味で少し低域よりの重心と私は感じました。低域よりと表現すると締まりのない低音と誤解されそうですが、決してそうではありません。分解能の高さに支えられて、低音部の表現力は素晴らしかったです。交響曲の音の厚み、ピアノ曲の音の立ち上がり感は、私が想像していた以上でした。
「AT-ART1000」は別格として、オーディオテクニカのカートリッジからこのような音楽表現が聴けるとは嬉しいです。ちなみに、私は「AT-OC9/III」の愛用者です。「AT-OC9/III」を国産車の乗り心地とすると、「AT-ART20」はドイツ車の上級モデルの乗り心地なのではと、「おぎやはぎの愛車遍歴」で得られた私の脳内イメージだけで勝手に想像しています。アウトバーンを時速200km超えで走るイメージで、天井高のある空間に設置された密閉タイプのスピーカーで聴いてみたいカートリッジです。想像するだけで、幸せな気持ちになってきます。これも先ほどの花嫁のおかげ😀
思わず撫でたくなるような曲線のデザイン、そして高い次元でバランスのとれた音質の「AT-ART20」ですが、私の限られたオーディオの予算ですので、即購入とはいけませんが、「お気に入り」のリストに追加しておきます。「お気に入り」のリストに入れるだけならお財布にやさしい。宝くじに当たったら「買い物かご」に入れます😅
そういうことで、綺麗なお嫁さんと素敵なカートリッジに出会えて、充実した一日でした。家に帰ってガレージ前に車を止めたら、雨の中、可愛いタウ君がお父さんの帰りを待っていてくれていました。