Myu Audio日記

オーディオ関連のブログです。

DS Audio DS003 購入決定、しかし....

DS Audio DS003 カートリッジとイコライザーのセットを自宅試聴させて頂いています。今回機種名を公表しましたのは、購入の意思がかなり固まったからです。

 

 

 

アナログプレーヤーの試聴環境は下記のように我が家のベストな布陣で臨みました。レコードをかけ替えるごとにバキューム式スタビライザーの吸引とアウタースタビライザーのセンター出しは少し面倒ですが、私にとって本気モードでの試聴には欠かせない儀式です。

  • ターンテーブル:Nottingham Spacedeck 
  • トーンアーム:    ROKSAN TABRIZ-ZI
  • その他          
    • アイコール IQ1300A バキューム式スタビライザー
    • VPI レコード スタビライザー
    • VPI レコード アウタースタビライザー

 

 

 

かなりの数のレコードを聴いた後、何気なく思ったのが八神純子『思い出は美しすぎて』のレコードはどのように鳴るのだろうでした。そのレコード盤ターンテーブルに載せ、バキューム式スタビライザーの吸引とアウタースタビライザーのセンター出しをして針を下ろすと、八神純子の伸びきったハイトーンがスピーカー中央に、そしてスピーカー後方の空間にはバックミュージシャンの演奏が満天の星空の如く煌めいているのではありませんか。このレコードの録音の良さは感じていましたが、これ程とは思いませんでした。「ちょー気持ち良い」とはこのことですね。他の八神純子のレコードも聴いてみましたが、残念ながら私の期待に応えるような録音のものはありませんでした。

 

 

 

DS Audioの光カートリッジを自宅で試聴できる機会は滅多にあることではありませんので、フラットトランスファーが売りのステレオサウンド社が発売しているレコード(2枚)を、清水の舞台から飛び降りる程の決断はいりませんが、思い切って購入して聴いてみました。

 

五輪真弓恋人よ』のレコードを通常盤とステレオサウンド盤を聴き比べてみました。通常盤は私の知っている鳴り方ですが、愛用しているオルトフォンのカートリッジ MC-A90に比べて、DS Audioの光カートリッジは微細な音の表現力が数段上です。下方リニアリティが高いのでしょうね。とても音楽性豊かに聴こえます。

 

 

 

次は期待のステレオサウンド盤の番です。「うーーーん」、私には音楽がバラバラに聴こえます。「なんでーーーそうなるの」。音痴の私の意見ですのであてにはなりませんが....... ライナーノーツで確認してたら、このレコードはフラットトランスファーではなく、パラメトリックイコライザーを使って「ほんのわずかな調整を行った」と記述されていました。オルトフォンのカートリッジ MC-A90では比較的気にならなかったのですが、DS Audio DS003とAccutonのスピーカーシステムの組み合わせでは、そのほんのわずかなイコライジングが見え透いた感じになります。これは、録音側または再生側がどうのこうのではなく、それぞれの立場での作り手の価値観の相違なのでしょうが、 DS003のセンシングデバイスとしての実力の高さを垣間見た感じがしました。

 

最後にオーディオ評論家 傅 信幸氏が選曲したステレオサウンドNOBU'S POPULAR SELECTION』 (2021年8月発売)を聴いてみました。このマスターは2010年11月に発売されたSACDの制作時に作成されたDSDマスターがベースになっています。アナログが命の人にとっては違和感があるかも知れませんが、デジタルチャンネルデバイダーを使っている私からしたら、まったく気になりません。

 

このレコードではフラットトランスファーのようで、我が家のAccutonのツィーターがヒステリックになることもなく気持ち良く歌っています。そして密閉のエンクロージャーに入ったAS250からもドラムスのマスタリングの意図が分かるような定位感が味わえます。2曲目のEye In The Sky (The Alan Parsons Project)では特にごきげんのようです。Alan Parsonsが語ったとされる言葉を思い出します。本末転倒だと言われそうですが、私もその Audiophiles の一人です😀

“Audiophiles don’t use their equipment to listen to music. Audiophiles use your music to listen to their equipment”.

 

 

 

DS Audio DS003の自宅試聴を終えて、その巷での評判の高さが体感できました。レコード盤に刻まれていない情報はDS003でもいかんともしがたいですが、空間情報が刻まれた音楽性ある盤ではブレークスルー的な再生音楽が味わえます。しかし、解像度の高さからくる高域の再生に難しさを感じました。聴きやすさを求める人には他の選択肢がありそうです。

 

DS Audio DS003とAccutonのセラミック振動板タイプのツィーターの音の方向性は似ているなと感じました。両者とも最上位モデルではありませんがカッテングエッジの部類に属し、主義主張を持っていますので、導入するにあたっては気性の激しい競走馬を乗りこなすようなセンスとテクニックが要求されます。未だにAccutonのセラミック振動板も手懐けられていないヘタレな私ですが、毒を食らわば皿までとも言いますので、挑戦します。我が家のアナログシステムの音は、もう少し調整が必要と認識させられました。そして、音源のストライクゾーンが狭い高音の質感なんとかしたいです。楽しみながら頑張ります😅

 

DS Audioの光カートリッジにはダイアモンドカンチレバーを採用したGrand Masterが、そしてAccutonにはダイアモンド振動板のツィーターがありますので、その組み合わせが手に入れられる方はオーディオ的桃源郷で再生音楽が楽しめるのでしょう。こちらは血筋のよいサラブレッドで一流の騎手が手綱をとれば優勝間違いなしの組み合わせですよね。

 

 

ちょっと待った!

DS003」を購入する気満々でしたが、OTOTEN2022で「DS-W3」が参考出品として展示され、今年の秋に発売予定とのアナウンスがありました。よって、光カートリッジの購入は「DS-W3」を聴いてからにします。タイミングが良かったのか悪かったのか、数ヶ月後には結論がでます。