Myu Audio日記

オーディオ関連のブログです。

高域の共振周波数用フィルタは必要かも?

スピーカーの補正回路の仕上げに入っています。当初はバッフルステップ補正だけを予定していたのですが、高域の共振周波数の対策も手間は同じですので、組み込むことにしました。シンプル・イズ・ベスト的な解ではないですが、自分の耳で良くも悪くもその効果の程を確認したいです。数千円の投資でハイリターンが得られかも😅

 

高域の共振周波数はチャンネルデバイダーを通すとそれなりに減衰されますが、スピーカーの裸特性(ユニットとエンクロージャーの総合特性)が整っているのに越したことはないと私は思います。たしかに余分な回路が入ることによって、音質に影響がでる可能性もありますので、最終的には耳での判断になりますが、比較試聴で選択肢が増えるのは悪くないですよね。インダクタによる磁気歪みとユニットの共振、どちらが聴感上より歪み(違和感)として感じられるのでしょうね。

 

下記は我が家で使っているミッドのユニットの特性です。ユニットをエンクロージャーに入れて軸上1mで測定したのが赤線の結果になります。例として、4次バターワースフィルタを通すと、高域共振周用フィルタなしでは約35dB減衰(緑の点線)していますので、これでも十分なのかもしれませんが、フィルタを追加すると約55dBの減衰(緑の実線)になります。

さらに、8次のフィルタを通すと、フィルタなしでは約70dB減衰(青の点線)、フィルタありでは約90dB減衰(緑青の実線)して、高域共振の影響はほぼ無視できるレベルまでになります。青の実線のような特性を見ると、如何にも100dBの音量で交響曲を聴いても歪み感は感じないような気持ちになります。「病は気から」と言いますので、この精神的な安心感は私にとっては大事な要素です。

 

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前置きが長くなりましたが、バッフルステップ補正と高域の共振周波数の対策を行った時の周波数特性をシミュレートしました。緑線が回路の特性、紫線は実際に測定した結果です。赤線の結果がチャンネルデバイダーを通す前のユニットの特性です。ツィーター、ミッド、ミッドローとも使用帯域では平坦な特性で、帯域外では共振によるピークは抑制されているのが分かります。

(注)下記の3つのグラフの最終特性(赤線)と補正回路(緑線)は、見やすいようにレベルをシフトして表示しています。

 

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振動板に剛性の低い素材を使うと高域共振のピーク値は減りますので、ユニットの選択がまず間違っていると思われるか方も居られるかもしれません。確かに美しい音を求めるならその通りと思います。しかし、私は鮮度感のある音(音が見えるような感じ)が好きなのです。ホーンシステムを愛用しているのもその理由です。しかし、ホーンの性質上、指向性が制限されるのが使用する環境によって長所になったり短所になったりします。

 

セラミック振動板を採用したユニットの高域共振のピーク値は高いですが、そのじゃじゃ馬的な性格を上手く手なづけると、鮮度感を保ちながら指向性の広い再生音が得られるのです。ダイアモンド振動板を採用したユニットが素晴らしいのは分かっているのですが、家庭平和(Wife Acceptance Factor)と天秤にかけると、私には「酸っぱい葡萄」になりそうですが、欲しいものがあると言うことは生きる力にもなりますよね😅