Myu Audio日記

オーディオ関連のブログです。

ツィーター用パワーアンプの比較試聴(試聴編)

思い立ってから時間が経ってしまいましたが、私が自身のシステムチェック(定点観測)用に使っている「マイ定番」の音源で、ツィーター用パワーアンプの比較試聴をしました。試聴結果には忖度はありませんが、自分の思い込みや主観が影響していると思われますので、遊びの一環として受け取って頂けると有難いです。

 

スピーカーユニットとパワーアンプの構成は前回紹介した通りですが、今回試聴に使った上流の機器の構成を下記の図を使って紹介します。音源はCDをリッピングした音源でIO-DATAのNAS Soundgec RAHF-S1を用いてDirettaモードでネットワークトランスポートSforzato DST-01に渡し、デジタルプリAccuphase DC-330で音量調整を行いHS-LINKでデジタルデータをデジタルチャンネルデバイダーDF-55に伝送します。ネットワークトランスポートにはルビジュウム発振器から生成された10MHzの正弦波を入力しています。あまり一般的な組み合わせではありませんが、我が家の一軍の選手達が総出しています😀。

 

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下記は今回の試聴に使った音源で、ボーカル、弦楽器、打楽器のジャンルから、それぞれ2曲選んでいます。音の印象を記憶する能力には全く自信がありませんので、曲ごとにパワーアンプの配線を換えながら試聴しました。試聴を始める前は、3.5kHz以上の帯域を受け持つツィーター用のパワーアンプを変えるだけなので、駄耳の私に聴き分けられのが不安でしたが、想像していた以上に違いが出て当人が驚いています。

 

音源① ボーカル

StingとAdeleを数ある候補の中から選びました。Stingの音源はThe Last ShipのDeluxe versionだけに収録されている音源でStingと Jo Lawryのデュエットです。大人の男性と女性の心情がどれだけ表現できるかがポイントです。Adeleの曲はRoyal Albert Hallで行われたライブで、どれだけその広大な臨場感が再現でき、大観衆のコーラスが一人ひとり見えるような再生が目標です。

  • Sting The Last Ship 20曲目 Practical Arrangement
  • Adele The Royal Albert Hall 16曲目 Someone Like You

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 音源② 弦楽器

五嶋みどりの音源はXRCDからリッピングしたヴァージョンです。一般的なCDとはマスタリングが異なるようで、聴き比べるとXRCD版の方が音楽性が豊かに聴こえ、暗騒音に埋もれるまで消えゆくバイオリンの音色に涙がでそうになります。ブラームス交響曲第4番は小澤征爾とサイトウキネンオーケストラの演奏で弦のハーモニーの美しさと個々の弦の力強さの両方が聴きとれるとオーディオファンとしては嬉しくなります。

 

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 音源③ 打楽器

オーディオ機器のダイナミックレンジが存分に味わえる音源を2曲選びました。剛性の高い振動板を採用したスピーカーシステムを大音量で鳴らすとスピーカーの周りに満天の星ごとく無数の音が現れ、オーディオ的な快感が得られます。100dB超えの音圧で再生しても煩く感じられないアブナイ音源ですので、普段は妻が留守の時に聴くようにしていますが、今回は妻から”ずいぶん大きな音で聴いていたね、同じ部屋に居なくて良かった”と言われてしましました😅

  • 神谷百子マリンバ・カクテル 1曲目 パゴダの女王レドロネット
  • Martin Grubinger  Drums ‘N’ Chant 7曲目 Antiphona: Crucem tuam adoramus  

 

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試聴の結果

前回の記事で紹介しましたように、下記の3種類のパワーアンプの組み合わせで試聴しました。構成①は現在使用している構成でエルサウンドとアキュフェーズの組み合わせです。構成②はエルサウンドをアキュフェーズのアンプに替えます。構成③はミッドにBTL接続で使っているアキュフェーズのアップをステレオ接続にしてミッドとハイのユニットを駆動します。

 

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上記の3種類の組み合わせで、私が一番気に入ったのは構成②でした。今まで構成①のようにツィーターをモノラルアンプで鳴らしていましたので、左右のユニットを一台のアンプで鳴らすことで空間表現能力が低下するのではと危惧していたのですが、それよりも得られるもののほうが多いと感じました。高音域の立ち上がり感と音色がより生音に近く、バーチュアルからリアルな音像により近づいた感じです。セラミック振動板を採用したAccutonのツィーターの適度な質量と剛性が、Accuphaseの強力な電源に支えられたAクラスのパワーアンプと相性が良いのでしょう。音のコントラストが上がり、音像に今まで以上に実体感を感じます。高音域にエッジを持たせてコントラストを上げた感じではありませんので、別部屋に居る妻に指摘されるくらい音量を上げても煩く感じることはありません。それから、嬉しいことに音場感も自己ベストを更新したと確信するくらいの違いがでました。駄耳の私ですが、これらの違いは「マイ定番」の音源に限っては、ブラインドで比較試聴しても分かるかも?知れません。

 

構成①では2年近く聴いており、長らく我が家のリファレンスでしたが、今日でその座を構成②に受け渡すことになりました。構成①の音には優しさが感じられますので、エージングが足りなかったじゃじゃ馬的なAccutonのユニットとは相性が良かったのでしょう。人によってはこの構成①が奏でる綺麗な音の方を好まれるかもしれません。構成②を聴いた後では、構成①はスピーカーと試聴者の間に薄いカーテンのような幕があったことに気づかされます。エルサウンドパワーアンプは本来の設計意図を尊重してホーンシステムの方で活かすことにします。

 

構成③の結果が良ければパワーアンプの数が減らせるので嬉しいなと思いながら試聴したのですが、結果は構成①と構成②の中間位の音像・音場の表現力にとどまりました。構成③ではアデルの声がきつく感じられる部分がありました。高音域にエッジを持たせて音作りをした感じでした。ソフトな振動板のツィーターと組み合わせると別な結果となりそうですが、我が家の組み合わせでは現在のところ不採用です。ツィーターのエージングがより進んだり、チャンネルデバイダーで新たな可能性のある設定が見つかった時には再挑戦することにします。オーディオ機器の組み合わせは、機器の相性は使い手の好みに大きく左右されますので、やってみなければ分かりませんね。それから、使い手のオーディオの経験値も増し、好みの音楽・音も変化することもありますので、固定観念に捉われることなく、定期的に組み合わせをリセットして再構築するのも良いかもしれませんね。

 

今回の結果から、もう一台アキュフェーズのA-35を購入してツィーターをA-35のBTL接続(モノラルアンプとして)で駆動した音を聴きたくなりました。

 

それから、A-35をA-60クラスのパワーアンプに全て(5台)置き換えるとどんな音になるのでしょうね。妄想はつきません😀

 

 

(注)この記事は下記の2つの記事の最終章です。

myuaudio.hatenablog.com

 

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