Myu Audio日記

オーディオ関連のブログです。

好みの振動板の材質

「原音に近い」または「自然に感じる」音は人それぞれのようで、その結果世の中には多種多様のオーディオ製品が存在して、大人の事情が許せる範囲で選択ができます。オーディオも恋愛と一緒で思わぬタイミングでの出会いもありますので、意図せぬ方向に導かれることがあります。

 

自分が心地良いと感じる音ってどんなのだろうと、ふと思いました。 40年近くオーディオを趣味にして、なぜ今のシステムに行きついたのだろうと自問自答しながら、今回は自分が購入したことのあるスピーカーユニットについて考えてみました。

 

ポジーのCaliper Signatureからホーンシステムに移行するとき、JBL、TAD, Sonyのホーンシステムをあるショップで聴かせて頂きました。ジャズを主に聴かれる方でしたらJBLまたはTADを選択されるのでしょうが、私はバイオリンの音色が自然に聴こえたSonyのホーンシステムと道を共にすることにしました。JBLとTADはベリリウムSonyはアルミの振動板を採用していると知ったのはその数年後になります。20年近く前の話です。今では、Sonyのエンジニアがなぜアルミの振動板を選択したか、分かるような気がします。高域再生にはベリリウムやダイアモンドを採用した振動板が良いのは理解した上で、音楽再生で大事な中音域の再生には、その帯域に見合った質量がある振動板だと音に実在感・立体感を私は感じます。

 

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今回のテーマからは外れますが、再生帯域に適した振動板の口径はあるように感じます。Sonyの4インチのドライバ SUP-T11 の再生帯域はツィーターは不要なくらい高域まで伸びていますが、音場感の再生の観点からやはり指向性の広いツィーターは欲しくなります。

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SUP-T11の周波数特性(カタログより)

 

Sonyのホーンシステムを導入してから5・6年後、エール音響の中高音域用ドライバとの出会いがあり購入しました。これはチタンの振動板を採用していました。しばらくして音響的な特性が良いとされるベリリウム振動板にアップグレードできることになり、より良い音を期待してベリリウム振動板に替えましたが、なぜかそれで聴く音楽が以前より私の心に染み入ってこないのです。中高音域用にはチタンの振動板の方が私の感性に合っていたようです。例えは悪いかもしれませんが、妻がプチ整形して肌もつやつやになり美しくなったが、以前の年相応のシワ・ホクロがあった自然な感じが好きだった感じでしょうか。結果、このユニットは縁あってある所に嫁いで行きました。

 

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Sonyのホーンシステムにミッドバスを追加する時に出会ったのがセラミック振動板を採用したAccuton製のユニットでした。ユニットだけで試聴する機会は限られていましたので、過度特性の良いホーンドライバとバランスが取れそうとの直感で導入に踏み切りました。その後、ミッドバスだけではなく、ミッドハイとツィーターもセラミック振動板のユニットを導入してAccutonの4ウェイシステムに進化して現在に至っていますので、人生どんな出会いと発展があるか分からないものです。

 

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中音域の再生にはその帯域を再生するのに適度な質量と剛性を有したセラミックの振動板の再生音が、もちろん振動板の材質だけで音が決まるわけではありませんが、私にはしっくりくるのです。異性の好みも人それぞれのように、音の好みも人それぞれです。そして、人との出会いから新たな自分の好みを発見することもあります。

 

導入当初(2013年)はセラミック固有の人工的な音色を感じることもあったツィーターも、昨年あたりからエージングも十分に進んたのでしょうか、あまりツィーターの存在を感じることなく音楽が楽しめるようになりました。

 

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セラミック振動板にはその高い剛性からくる共振点があるのは大きな短所ですが、デジタルチャンネルデバイダーが使える現在では、その短所の処理はそんなに難しくはありません。私のオーディオの知り合いにはホーンのシステムを所有しながらも、並行してAccutonとデジタルチャンネルデバイダーの組み合わせで音楽を楽しまれるかたが何故か不思議と多いです。「類は友を呼ぶ」のでしょうね。

 

世の中にはダイアモンド振動板を採用したユニットもあり、その良さも体験しているのですが、導入に関しては大人の事情が許してくれません。 そう言いながらも状態の良い中古品との出会いがあり、自宅試聴でバイオリンの音色がより自然に聴こえることが確認できれば、頑張るかも😀 

 

妻も「あなた、頑張って」と言ってくれています……ってことはありませんよね😅