Myu Audio日記

オーディオ関連のブログです。

ステレオサウンド編集長へのインタビュー

オタイオーディオ(愛知県にあるオーディオショップ)のサイトに、店主(ようすけさん)がステレオサウンド誌の染谷編集長をインタビューされている動画が投稿されていました。

店主と染谷氏の性格は対極にあるような感じを受けましたが、お二人の個性の違いが功を奏したようで内容の濃いインタビュー記事(動画)でしたので紹介します。

 

www.youtube.com

私はステレオサウンド誌は長年愛読していますので、その編集方針は何となく分かっているつもりでしたが、今回改めて創刊以来変わらぬ「試聴主義」のポリシーを理解しました。

 

私の記憶に残った染谷編集長のコメントを備忘録として纏めました。

  • ステレオサウンドに入社して19年ですが、当社にはベテランが多いのでまだまだペーペーです。オーディオにはキャリアがものを言う世界なので、まだまだ経験が足りません。勉強の日々です。
  • オーディオは機械の音を聴いているようで、自分の聴く能力が問われている。自分が成長していくと聴こえていなかったものが聴こえてくる。気がつかなかったことが気が付けるようになる。
  • 先生(評論家)で誰一人同じ聴き方をする人はいない。先生それぞれに流儀がある。
  • 仕事と趣味の境界線が限りなく曖昧である。創業者の原田会長からはプロ(評論家)がアマチュア(読者)より偉いと思うな、編集部員は最高のアマチュアを目指せと怒られる。
  • 同じ音を聴いて、なんで評論家によって違う表現になるのだろう。どういう時にどういう思いを込めている単語の説明をしたかったので、言葉の階層を表に纏めようとしたがそれはできなかった。
  •  評論家は音を説明する言葉を発明する。例えば、菅野沖彦氏は「音蝕」、三浦孝仁氏は「音の情報量」などがある。
  • ステレオサウンド誌には韓国語版と中国語版はあるが英語版(オファーはある)は無い。日本語の原稿を英語に翻訳して、またそれを英語から日本語に再翻訳したものが英語では語彙が足らず、原稿を書いた評論家の方々が納得レベルに達することができなかった。
  • ステレオサウンド誌は目標の一つとして、音が聴こえる雑誌でありたい。音がイメージできるような文章で本を埋めたい。
  • ステレオサウンドの編集部員はオーディオが好きで、「好きを人質」にしていると怒られたことがある(笑い)。
  • 不思議なことに、誰と聴くかによっても音が変わる。評論家の先生がいた時はあんなに良い音がしていたのに、自分一人になったら良い音がしないことがある。
  • 良い音(山の頂点)は一つではないところがオーディオの楽しみでもある。人それぞれ好きな音がある。試聴記事は複数の評論家を招いて同時試聴しているのは、それが一つの理由でもある。場合によっては、ある評論家の先生が悪いことを書いていたら、読者によっては反対にもしかしたら自分に合うかもしれないと判断される可能性もある。
  • 菅野沖彦氏の言葉、「徹底した主観は客観に通ずる」。場合によっては合議制の結果より信頼できる。
  • 基本的に借りた製品は社内のスタジオでカタログの写真より良いカットを目指して撮影している。表紙に使う一枚の写真の撮影には原田会長も立ち合い10時間くらい掛けることもある。ライティングに拘り、デジタル処理は最低限がポリシー。
  • 表紙に載る特集のキャッチコピーは会長(編集主幹)、編集長、副編集長がそれぞれ案を持ち寄って戦い(笑い)、最後まで主張し続けた者の(特集の本質をついた)案が採用される。
  • 刷りの色味が意図したものになっているか、毎号印刷の立ち合いに行く。
  • 等々(染谷編集長のプロフェッショナリズムに拍手したくなりました)

 

 

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オーディオ弄りも楽しいですが、テニスも同じくらい楽しいですよ。普段は週4・5回のペースでテニスをしていますが、先週は暑さにもめげずに6日続けてテニス、まるで少年時代に戻ったような夏の過ごし方をしています。おがげでサポーターをしていた場所意外は腕は真っ黒です。若くはありませんので、「熱中症」には気を付けなければいけないとは分かっているのですが、気持ちだけは「夏休み中の少年」です。

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