最近はスピーカーシステムの妄想や木工の工作も無く、かと言ってこのところの長雨でテニスもお預けで刺激の少ない日々を過ごしています。
2012年に出版された傅信幸著「傅信幸のオーディオ読本」を 久しぶりに読み直しています。この本は4つのパートに分かれており、印象に残ったのは機器の評論記事ではなく、傅氏の日常や家族愛をエッセイ的につづった最後の章「音楽とオーディオのクロストーク」です。銀座で日本料理屋を経営して、諸事情によりより生活保護を受ける身になり北海道の病院で身内に見守られることなく亡くなられ、傅氏が北海道まで遺骨を受け取りに行かれた話「知人の死」には気が付いたら涙していました。オーディオ誌を読んでこんなに感動したのは初めてです。
傅氏の本を読みながら聴いていたのは keith jarrettが自宅のスタジオで録音して奥様に捧げたthe melody at night, with youです。偶然の組み合わせですが、傅氏の心の優しさが伝わる文章とkeithの妻への愛に接することができて爽やかな一日となりました。