ハイレゾの時代になり、その技術を上手く使うことによってアナログレコードも更なる高音質で再生が可能になるのではと妄想を膨らませています。
レコードの録音・カッティング手法の一つに、76cm/sでマスターテープを製作、それを38cm/sで再生し、カッテングシステムをハーフスピードでカッティングする「ハーフスピード・カッティング」があります。このアイデアを適応して今まで以上に高音質でレコードを再生できるのではと思っています。
私のアイデアは、「ハーフスピード・リッピング」です。レコードを「ハーフスピード」で再生しながら、ハイレゾでリッピングします。すでに、個人レベルで実行されているかもしれませんが、そのようなアイデアはネットで検索したところ見つかりませんでした。
具体的には、レコードをハーフスピードで再生して、それをハイレゾで(デジタル)録音します。その音源のファイルのヘッダーの周波数情報を録音時に用いた値の2倍に書き換え、ハーフスピード再生を補正するためデジタル領域(アナログ領域でも可)でイコライザの補正を行います。あとは、そのファイルを他のファイル再生と同様にPCまたはネットワーク・オーディオで再生します。
レコードプレーヤーの改造
レコードを33回転の半分のスピードで再生する方法の一つを、我が家のシステムを例にとって紹介します。レコードプレーヤーはベルトドライブタイプの VPI ARIES 3 で、商用電源ではなく、VPI SDS (Synchronous Drive System) で駆動しています。33回転の半分のスピードになるようにARIES 3 のプーリーを改造します。回転数はSDS を使って微調整(±10%) できますので改造するプーリーの径は正確である必要はありません。
VPI ARIES 3
VPI SDS
カートリッジの選択
今回使うカートリッジは一般的なMM/MCカートリッジでも全く問題ないですが、デジタル領域でのイコライジングを行うことを考慮すると、レコードの溝の動きをそのまま出力する振幅比例型出力、例えばDS Audioの光カートリッジが適していそうです。ハーフスピード再生と光カートリッジの組み合わせ、新時代のアナログ再生の鍵となりそうな予感がします。
レコードのリッピング
レコードのリッピングはフォノアンプの出力にADコンバーターを繋いでアナログ信号をデジタル信号に変換します。我が家の場合ですと、ファノアンプは Sutherland Hubble、ADコンバーターはラステーム システムズの RAD192D (または良質なUSB オーディオ・インターフェース) を用いてPCにデータを取り込みます。フォノアンプのイコライジングの特性をハーフスピード用に設計したものを使えば、次章で述べるデジタル領域でのイコライジングの補正が不要になります。
デジタルファイルの加工
デジタルファイルのヘッダーの周波数情報を録音時に用いた値の2倍に書き換え、データもハーフスピード再生を補正するためイコライザの補正を行います。この点については、ただ今勉強中です。まずは、バイナリエディタでヘッダーの周波数情報を書き換えて、ファイル再生時の周波数特性を確認することから始めます。
デジタルファイルの再生
上記の再イコライジングされたファイルを、他のファイル再生と同様にPCまたはネットワーク・オーディオで再生します。
最後に
レコードをハーフスピードで再生して、それを倍のスピードでデジタルファイル再生することによって、どれだけ音質の向上が得られるか分かりませんが、デジタル技術を上手く使うことによって、アナログ録音技術の結晶であるレコードがさらに良い音で楽しめそうです。
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今週、気温が上がり我が家にもバラの季節がやって来ました。まだまだ、バラの初心者ですが今年はカビや害虫の被害も抑えることができ、バラの開花(香りも)を楽しんでいます。
ウィリアム・シェークスピア2000 (左)とリオサンバ(右)