SONYのSS-G9を愛用されている横浜市郊外にお住まいのFさん宅にお邪魔してきました。SS-G9は中島 平太郎氏が開発に関与され、1970年代後半に¥576,000(ペア)で発売されたスピーカーです 。
SS-G9の技術的な特徴については下記の日記で紹介しています。
FさんのSONY SS-G9
左はFさんのメインスピーカーのMcIntosh XRT22S
SS-G9で音楽を聴いていると、「美しさ」「優しさ」といった形容詞が自然浮かんできます。中低域用:20cmユニットが300Hz-1,200Hz、中高域用:8cmユニットが1,200Hz-5,000Hzで、音楽の主要帯域を基本的にこの二つのユニットが受け持っています。音の繫がりはとても自然で音色も揃っているように感じます。音楽表現もさることながら、音源の録音・マスタリング時の処理も明瞭に聴きとれるのにも驚きです。
Fさんのお気に入りのCDを2時間程聴かせて頂きました。その中で一番印象に残ったのが、喜多郎の「シルクロード」です。FさんはSS-G9を横長(幅6m位?)の配置で聴かれており、喜多郎の演奏が横長の壁一面に現れるのには驚きました。まるでパノラマ写真を鑑賞している感じです。
私が当日持ち込んだCD3枚の中で特に印象に残ったのはパーカッショニスト Martin Grubinger の 「Drums 'n 'chant」 です。パーカッションとグレゴリアンチャントとのコラボレーションのCDです。このCDは普通のシステムで聴くと、演奏(録音も)の本当の良さは伝わらないようで日本や米国のAmazonでの評判はあまり宜しくありません。しかし、FさんのSS-G9での再生は私の想像以上でした。音場感の広さ、奥行き感の表現、最高でした。
SS-G9にマルチ入力端子が搭載されているのは、ソニーの技術者がユニットの素性の良さに自信を持っていた証ともいえます。デジタルチャンネルデバイダーの愛好家の私としては、SS-G9を現代のデジタル技術を使ってマルチアンプ方式で駆動すると、どのような音楽表現が得られるのが、その潜在能力の高さ故に挑戦したくなります。
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Fさん宅には過去3回お邪魔して、いろいろなスピーカーシステムで音楽を聴かせて頂いています。その時のオフ会の様子を下記の日記で紹介しています。
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試聴会やオフ会等で他のシステムで音楽を聴かせて頂くと、自分が求めている音楽再生観に改めて気づかされます。仲間との交流は楽しいですね。