ダイナミックオーディオで開催されたイベンド「Analog Festival in H.A.L.III Vol.7」に参加してきました。今年3月に参加して大変得ことが多かったネットワークオーディオとPCオーディオのイベント以来です。
今回のイベントの最大の特徴はTechnicsのレコードプレーヤーSL-1000Rを3台使って、下記のカートリッジとトーンアームが同じ条件で比較試聴ができる夢のようなイベントでした。
使われたカートリッジ
- Audio-technica AT-ART1000
- Analog Relax AR-MCC-EX1
- Analog Relax AR-MCC-EX3
- DS Audio DS-W2
使われたトーンアーム
- Technics SL-1000R 純正
- Ikeda IT-407SS
- SAEC WE-4700
- Glanz MH-124S Premium
Technics SL-1000R 3台 夢の競演
スピーカーはB&W、プリとパワーアンプはLUX、フォノイコはSOULNOTEが使われました。ただし、DS Audio DS-W2にはDS AudioのイコライザDS-W2を使用。
カートリッジで印象に残ったのはDS AudioのDS-W2です。DS-W2の音は音場感の広さや音と音の間の表現が明確で私の好みです。DS-W2はステレオサウンド誌でグランプリに選ばれ、改めてその記事を読み直しますと特に和田氏の感想がわが意を得たりと感じました。
”このDS-W2を聴くと、もうこれ以上の音は無いんじゃないだろうかと思うくらい素晴らしくて、家ではもっぱらこれでレコードを愉しむことが多いです。極端に言えば、他のカートリッジはお休み状態なんですよ。”
DS Audio DS-W2
Audio-technicaのAT-ART1000も繊細で立ち上がりの良い音でした。 Audio-technicaの担当の手にあるのはスケール5倍のモデルです、発電部の構造が良く理解できます。スケール10倍のモデルもあるそうです。
トーンアームで印象に残ったのはGlanz MH-124S Premiumでした。MH-124S Premiumでのレコード再生は広大な音場感・立体的な音像感はまるで上質なマスターテープでの再生を聴いているようでした。立ち上がりの速さ、鮮度感、付帯音の少なさは正しく私好みの音でした。型番は違いますがGlanzのトーンアームがanalog Grand Prix 2019を受賞しているのを知り、私の駄耳もそれなりに頑張っているようです。
Glanz MH-124S Premium
GlanzのトーンアームMH-124Sが、今年5月に開催されたPhasemattionの特別試聴会でTechDAS のAir Force Oneに搭載されていたのを思い出しました。その時のカートリッジはPhasemationのPP2000で音場感の広さが印象に残っていますが、思い返しますとGlanzのトーンアームの貢献もかなりあったようです。アナログを大切にするPhasemationがGlanzのトーンアームを選んだ理由が、今回の試聴会で理解できたような気がします。
GlanzのトーンアームMH-124S@Phasemationの試聴会
Phasemationの試聴会の感想は下記の記事で紹介しています。
今回の試聴会でアナログ再生の良さは十分に理解しましたが、自分が納得するレベルの音を出すのにはそれなりの出費が必要のようです。私にとっては夢の世界の製品ですが、このような「夢の世界」も存在するほうが趣味としてダイナミックレンジが広がり楽しいですね。
最後に、「Analog Festival in H.A.L.III Vol.7」はアナログに特化したかなり中身の濃い試聴会でした。評論家でないと経験できないような貴重な体験をさせて頂いた関係者の方々には感謝しかありません。