カルダス式スピーカー設置法はケーブルメーカーの社長であるカルダス氏の提唱する方法です。ポイントは黄金比(またはフィボナッチ数)を用いて、部屋の定在波が偏らないようにスピーカーと試聴位置を決めているところです。
まず、カルダス氏が奨励されている部屋(Golden Cuboid listening room)の比率は 1.000(高さ)x 1.618(横)x 2.618(縦)となっている点に留意する必要があります。これは、石井氏が嫌う天井が低くかなりの縦長の部屋となっています。ちなみに、石井氏の推奨比率は1.000(高さ)x 1.165(横)x 1.379(縦)です。石井氏はカルダス氏が奨励されているような縦長の部屋は、定在波のディップを避けるために横使いを奨励されています。
カルダス式スピーカー設置法は下図のように、部屋の横幅を基準(RW)とした時、壁からスピーカーの中心までの距離を0.276倍、スピーカ背面の壁からスピーカーまでの距離を0.448倍の位置に配置します。この場合のスピーカーの基準点は定在波の影響が一番顕著に発生する周波数帯をカバーするウーファーユニットの中心となります。
試聴位置は0.448倍の正三角形の頂点になります。部屋の広さを考えるとニアフィールドでの試聴となります。そしてスピーカーの後ろ側にはかなりのすピースを要求しています。この辺が、日本でカルダス式配置法が普及しない理由なのでしょうね。それから、カルダス氏はスピーカーおよび試聴位置の高さに関しては特に述べていませんが、完璧を求めるなら、スピーカーおよび試聴位置の高さは天井と床間に発生する定在波を考慮して決めるべきでしょう。カルダス氏はスピーカーの振りの角度についても特に述べていませんが、今回は平行法のみに限定して試聴しました。
下記がカルダス式を我が家に適応した場合の図です。部屋の長辺は 5.500 にも関わらず、スピーカーと試聴位置間の距離は 1.971 となりますので、慣れるまでは視覚的にかなり違和感があります。
駄目だったら元に戻せることはやったもん勝ちですので、重い腰を上げてスピーカーを部屋の中央部に移動しました。幸い、部屋の内装工事が終わるまでは、スピーカーは台車に載っていますので、一人で作業ができます。「いつやるか?今でしょ!」、すみません、チョット古かったですね。
カルダス式ですと、スピーか―の後ろ側にベッドが置ける位の空間ができます。スピーカー周りには何も置かない方が良いのは分かっていますが、我が家の環境ではアンプ類を置くオプションもありそうです。
肝心の音はどうなのでしょうか。まだ、聴き込みが足りないですが可能性を感じます。直接音と一時反射音の時間差と音量差がかなり変わり、我が家では初めて体験する再生音です。
次回は試聴の結果をご報告する予定です。
リスニングルームから見える新緑がとても綺麗です。強風の後の五月晴れ、空気も美味しいです。
最近、幾つかの偶然が重なり、近所にお住まいのオーディオ愛好家の方と知り合えました。とても素敵なご夫婦で、妻と一緒に訪問させて頂き、楽しい一時を過ごすことができました。再生音はウィスキーに例えると色・香り・味が見事に連携した印象を持ち、我が家の音は仕込んだばかりで色・香り・味のブレンド感が足りないと感じています。妻の感想も私とほぼ同様でした。近々、我が家の音も聴いて頂く予定でいます。