Myu Audio日記

オーディオ関連のブログです。

タイムアライメントの測定結果

今日は、我が家のスピーカーユニットのタイムアライメントの測定結果を紹介します。下記の写真にあるように、私は中音と高音にホーン型のユニットを使用していますので、低音中低音の振動板とは10から20cmほど離れています。

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下記はタイムアライメント”無し”の時のステップ応答です。立ち上がりが中低音、高音、中音のユニットの順で応答しているのが分かります。高音と中音の時間差は0.66msecで、距離に換算しますと22.7cmとなります。補足ですが、この測定時には、Accuphaseのデジタルチャンネルデバイダー DF-55のディレイ・コンペンセーター機能はONにしてありますので、フィルターを通過する時に発生する理論的な遅延はすでに補正してあります。

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下記はタイムアライメントの有無によるリスニングポイントでの周波数特性の違いを示します。この図では分かりやすい中音と高音にフォーカスしています。中音と高音間のクロスの条件は4kHz・48dBです。青線がタイムアライメントの有り、赤線が無しです。明らかに、タイムアライメントを行った時のほうが両ユニットのつながりがスムースです。だたし、特性はマイクロフォンの位置を数センチ変えただけで、特性は変化しますので、あまり神経質にならない方が良いですね。ディレイの補正は再生音を聴きながら、各自が一番心地よいと感じる値にするのが良いのではないでしょうか。

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タイムアライメントの問題をクリアするため、物理的に振動版の位置を揃えるようなユニットの配置を採用されているオーディオ愛好家も居られます我が家でも、2011年の4月にこの配置を試してたことがあります。この配置では、各ユニットが離れてしまい、良質なフルレンジユニットが醸し出すような自然な再生音から遠ざかってしまいましたので注意が必要です。広い部屋場合では、これはあまり問題に成らないのでしょうが、我が家みたいなニア・フィールドでの試聴環境では、各ユニットはなるべく近くに設置することが、マルチを成功させる重要な要素の一つとなります。

今日は、デジタル・チャンネルデバイダーの機能を利用すれば、再生音を犠牲にすること無く、ユニットの配置を近距離に配置して、タイムアライメントも可能になることを紹介しました。もちろん、アナログタイプのチャンネルデバイダーやLCネットワーク方式にはそれぞれに良さがありますので、自分の感性に合った方式で良いと思います。

最後に、菅野沖彦氏の名言音は人なり」、心に沁みいる言葉です。